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Fitbit、心拍測定のできる新機種「Charge HR」を日本投入
日本市場に本格参入へ
(2015/4/23 17:25)
Fitbitは、フィットネストラッカーの新機種「Fitbit Charge HR」を、日本市場で24日に発売する。あわせて、フィットネス機能を備えたスマートウォッチ「Fitbit Surge」の日本市場投入を予告した。「Fitbit Charge HR」は、想定価格2万円程度で発売する。「Fitbit Surge」は想定売価4万円程度。
Fitbit Charge HR
「Fitbit Charge HR」は、リストバンド型のウェアラブルデバイス。常時着用して心拍数や活動量、運動記録といった情報を記録して健康維持に役立てるためのもの。パソコンやスマートフォンとワイヤレスで同期して、アプリで状態を確認できる。防滴仕様で、バンドのサイズはSサイズとMサイズの2種類。カラーは4色で、発売当初はそのうちブラックとプラムが提供される。
Fitbitの製品ラインナップの中でも上位機種にあたり、ディスプレイを搭載しており、時計表示が可能。BluetoothでAndroid、iPhone、Windows Phoneといったスマートフォンやパソコンに接続し、測定したデータを自動で同期する。
フィットネス機器として特徴的な点は、新開発の心拍数センサー「PurePulse」を搭載したことで、24時間の心拍数測定が可能としたところ。運動時だけでなく、平常時の心拍数も把握することで、健康管理に役立つという。
睡眠サイクル測定機能も進化している。今までのFitbitの機器ではユーザーの操作により睡眠モードに切り替える必要があったが、「Charge HR」では、ユーザーが睡眠状態にあることを自動で認識し、睡眠時間や眠りの質などを計測する睡眠モードに切り替わる。バイブレーションによる目覚まし機能も備える。
運動記録は、運動前にボタンを押すことで、トレーニングで消費したカロリーや心拍数をリアルタイムに表示する。また、最適な運動プランをアプリで通知する。
スマートフォンの着信通知機能も搭載。かかってきた電話の相手の名前や電話番号を表示することができる。
Fitbit Surge
「Fitbit Surge」は、フィットネスに特化したスマートウォッチ。「Charge HR」の心拍数センサーや運動記録といった機能がすべて利用できるほかに、GPSを搭載しており、距離や高度も計測可能。バックライトLCDタッチスクリーンディスプレイを採用しており、一度の充電で最大7日間動作するという。スマートフォンとの連携機能としては、着信通知のほか、メッセージ通知、音楽再生コントロール機能を搭載。
なお、日本における発売日は、現在未定となっている。
Fitbitアプリの強化
Fitbitのスマートフォンアプリについても機能追加、改善が行われた。食事を記録する機能が追加され、食べた食事のメニューを入力すると、カロリーなどが自動で表示される。食事データは日本向けに10万種類を用意したという。
また、1つのアカウントで6個までのFitbitデバイスを同期することが可能になった。これにより、状況によって異なる機能を持つFitbitを使い分けることができるようになったという。
運動へのモチベーションを高める方法として、友人と運動の成果を共有して、成果を競ったり、お互いに励ましあったりといったソーシャル機能が搭載されている。今回、Facebookとの連携機能の追加によって、より簡単に友人を探すことができるようになったという。また、成果に対するご褒美として、アプリ内でバッジが贈呈され、より楽しく運動を続ける工夫がされているという。
あらゆる活動がフィットネスになりうる
「Fitbit Charge HR」の発売に先立ち都内某所で行われた記者向けの発表会では、Fitbit社CRO(最高収益責任者)のウッディ・スカル氏が登壇し、Fitbitの戦略や新製品についてプレゼンテーションを行った。また、プロゴルファーの古閑美保氏や、ダンスエクササイズトレーナーのたかはしごう氏をゲストとしたトークショーや、チアリーダーによるパフォーマンスが行われた。
スカル氏はのプレゼンテーションでは、Fitbitのフィットネスに対する考え方が説明された。Fitbitは日本法人を設立し、日本市場に本格参入していく。同社が設立された頃のアメリカでは、「フィットネスはつらいエクササイズを頑張らなければならないもの」という考えがあった。しかし、同社のアプローチは全く違うものだ。すなわち「フィットネスを高める方法はさまざまな選択肢がある」というアプローチのもと、気軽に日常的な活動でより健康になるためのフィットネス機器を提供してきた。
スカル氏は、フィットネス市場が2018年までに200兆円の市場規模となるというアナリストの調査を紹介し、その背景にある4つのトレンドを明かしている。それは、肥満や慢性疾患の増加、健康意識の高まり、テクノロジーの進化、そしてスマートフォンの台頭だ。これらを背景として、Fitbitは製品を開発し、ユーザーの環境、運動志向によって異なる需要に応えるために、複数のラインナップを提供してきた。
Fitbitではフィットネスに興味を持つユーザーを、3つの層に分けて考えているという。
もっとも一般的な層が「健康には興味があるけれど、わざわざ運動しないで、ちょっと歩く距離を増やしてフィットネスする」、「エブリディ」層。中間に当たるのが「エクササイズやスポーツなどを積極的にする」、「アクティブ」層。もっとも上層にあたるのが、「プランに基づいた定期的なトレーニングをし、自分のパフォーマンスを最大化しようとする」、「パフォーマンス」層。
Fitbitはこれらの全ユーザーをカバーする製品を提供するが、本日発表された「Charge HR」は、中間の「アクティブ」層をターゲットとした製品だ。今までも常時測定が可能な心拍計は存在したが、胸や首にセンサーをつけるタイプのもので、限られたアスリートのためのものだった。「Charge HR」に搭載されている心拍数センサーは、腕に着けるだけで平時の心拍数も測定できる初めての製品だという。
質疑応答でFitbitの強みについて質問を受けたスカルCROは、「今日はFitbitの、日本でのブランドのローンチをする日。使ってもらえれば、Fitbitがただのウェアラブルではなく、アプリの機能も一体となった、人々のフィットネスを手助けするシステムだということが理解してもらえると思う」と、自信を示した。
また、日米での健康に対する意識の違いについて訊かれると、「健康はだれかがやってくれるものではない、自分がやるものである、というメッセージは、日本政府も同じ呼びかけをしているものだ、私たちのメッセージも日本で受け入れられるのではないか」と語った。
リアルタイムに状態が表示されるから、運動のモチベーションにつながる
プロゴルファーの古閑美保氏、ダンスエクササイズトレーナーのたかはしごう氏は、事前に「Fitbit Charge HR」を利用してトークセッションに臨んだという。
古閑氏は「Charge HR」を着けたことによって、日々の有酸素運動を達成度がわかりやすくなり、運動に対するモチベーションが向上したと話す。また、心拍数がリアルタイムに表示されることで、今緊張した状態だと把握することができるようになり、メンタルレベルのコントロールにも使えそうだと感想を語った。
スポーツジムにて講師を務めるたかはし氏は、今まで結果を分析するのに時間がかかっていたエクササイズにFitbitを取り入れることで、乳酸値の増加を考慮した効率的な運動ができるようになると期待しているという。「今脂肪が燃えている! という状態がリアルタイムで伝えられるようになる。レッスンに導入するのが楽しみ」と話した。