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南海トラフ巨大地震でも96%のユーザーが利用できる――ドコモ関西の対策完了

 NTTドコモ関西支社は、南海トラフ巨大地震による津波が発生し、各地の基地局が被災しても、携帯電話サービスを継続して提供できるよう、3つの対策を実施し、その準備が完了したと発表した。この対策により、想定被災エリア内では、約96%のユーザーの通信が確保できるという。

 ドコモ関西が今回実施した対策は「伝送路の二重化」「通信用補助電源の長時間化」「遠隔からのエリアコントロール」の3つ。宮崎県沖合~四国の南~和歌山県の南~静岡県と、広範囲での震源が想定されている南海トラフ巨大地震は、2011年8月、政府の検討によって、発生頻度は低いものの、もし発生すれば10m以上の高さの津波が13都県に渡って被害をもたらす、と想定されている。

 今回、ドコモ関西では、大阪湾を中心に兵庫県~大阪府~和歌山県の沿岸部での被災想定エリアにおいて、直接的な被害を受けないと想定される35の基地局(大阪府5局、兵庫県16局、和歌山県14局)の基盤を強化。基地局とコアネットワークを結ぶ伝送路は、光回線に加えて、マイクロ波の無線を用意して、2つの伝送路を使えるように二重化した。また電力供給が途絶える可能性を考慮して、大容量燃料電池を設置することで3日間、通信できる環境も確保した。そのうえで、被災エリアの基地局が直接的な被害を受けた場合でも、周辺の基地局でサービスエリアを確保できるよう遠隔でコントロールできるようにした。

 こうした対策、そして1つの基地局で従来よりも広範囲にエリアをカバーする「大ゾーン基地局」を組み合わせることによって、想定被災エリア内の約96%のユーザーに対して通信サービスを確保できるようになったという。

関口 聖