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航空機内のWi-Fi、今夏から常時利用可能に

 国土交通省は、航空機内での無線LAN(Wi-Fi)の常時利用を認める方針で、今夏にも規制緩和を実施する。基準を満たした航空会社の機材で利用できるようになる見込み。

 現在も、飛行中の機内においてWi-Fiサービスが提供できるようになっているが、国土交通省 航空局の航空安全・保安対策課によれば、今夏実施する意向の規制緩和では、電子機器が「電源オフ」とされている離着陸時について、携帯電話やスマートフォンは「機内モード」での動作が認められるようになる。加えて、離着陸時であっても、機内のWi-Fiに限定して接続が認められる方針としている。

 ただし、航空機の離着陸時には、機内放送や安全に関するアナウンスを乗客に周知する必要があることなどから、離着陸時に実際にWi-Fiや機内モードでの利用が乗客に対し認められるかどうかは、航空会社の判断によるとしている。

 国交省の航空安全・保安対策課によれば、「電源オフ」を緩和する代わりに、離着陸時を含めて「機内モード」での利用を条件とする意向なのは、3GやLTEといった比較的強い電波の通信を行わないため。通信は機内のWi-Fiに限定しており、離着陸時や飛行中に、乗客が航空機の外にあるWi-Fiスポットや携帯電話基地局と接続することは、引き続き認められない。

 日本航空(JAL)および全日本空輸(ANA)は、国交省からの正式な指示がない現在は、「現時点では決まっておらず、具体的なコメントはできない」(ANA広報部)としている。一方で、「国の検討内容は注視しており、利便性のさらなる向上に努めたい」(JAL広報部)と、一部は前向きな姿勢も示している。

太田 亮三