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KDDI、全国の映画館に音楽ライブを生中継するサービス

 KDDIは、イオンエンターテイメントと連携し、映画館に音楽ライブの生中継などを配信するサービス「Live'Spot」を開始した。第1弾として、8月15日に開催されるJUJUのBLUE NOTE TOKYOでのライブについて、全国約60の映画館でライブビューイングを実施する。

 「Live'Spot」は、音楽ライブなどの会場から生中継できるシステムとネットワークを構築し、映画館でライブビューイングが行えるというもの。「Live'Spot」のチケットの価格は、音楽ライブのチケットの半額程度になる見込み。映画館の大画面とカメラの切り替えなどで、ライブ会場なら最前列でしか見られないような場面を楽しめるほか、音響は一部を除き5.1chで配信し、会場にいるかのような迫力と一体感を味わえるという。また、飲食が可能で、空調を完備、座席で鑑賞可能、大規模なライブ会場よりも行きやすい場所にあるといった、一般的な映画館の特徴も兼ね備えている。

 「Live'Spot」でライブビューイングを行う第1弾のアーティストはJUJUで、ツアーの最終公演として開催される8月15日のBLUE NOTE TOKYOでのライブが、全国約60の映画館で生中継される。また、8月8日には、「劇場版きゃりーぱみゅぱみゅ」の上映も全国の8つの映画館にて「Live'Spot」のサービスとして実施される。

 KDDIではこれまでもいくつかのアーティストで、実験的に映画館を利用したライブビューイング実施してきたが、本格的なサービスとして展開することで、映画館を映画以外で活用する市場の拡大を狙う。

 KDDIは今回の取り組みにおいて、コンテンツの配給とプロモーション活動を担当。「Live'Spot」のWebサイトを立ちあげ、各チケット販売会社を通じてチケットを販売する。PRはauスマートパスといったKDDIのチャネルでも実施される。また、ライブビューイングに参加した人同士や、アーティストとも交流できるようなサービスが検討されている。イオンエンターテイメントは、他社の映画館への配給や映像配信の技術サポートなどを行う。

「あきらめていたライブを中継で」

KDDI 商品統括本部 サービス企画本部長の片岡浩一氏

 17日に開催された発表会では、KDDI 商品統括本部 サービス企画本部長の片岡浩一氏が登壇。ライブの市場が近年になって拡大している様子や、映画館を映画以外で活用する市場が起こりつつあることを示した上で、映画館でのライブビューイングのメリットを紹介。快適な空間と迫力の映像・音響で「あきらめていたライブを中継で見られる」とアピール。今後も、月1回程度の頻度で「Live'Spot」のライブビューイングを実施していきたいとした。

 イオンエンターテイメント 営業本部長の大山義人氏は、映画館を活用する施策の中でも人気の高い音楽ライブを提供できることに期待している様子で、「5.1chの音響設備で提供できるのに期待を持っている。5.1chはKDDIの『Live'Spot』の特徴」と、一般的なライブビューイングとは異なる、音響面での充実ぶりにも言及した。

イオンエンターテイメント 営業本部長の大山義人氏

 会場ではこの後、品川庄司の品川祐、水沢アリー、しずるの村上純と池田一真がステージに登場。会場となった映画館のスクリーンには、実際のライブビューイングを模してイオンエンターテイメントの施設から映像が配信される形で映像が映し出され、特別に編集された映像で2chと5.1chの迫力の違いを体験するなどした。

左から品川庄司の品川祐、水沢アリー、しずるの池田一真、村上純

太田 亮三