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使いやすさにこだわった京セラ製「URBANO」

 「URBANO」(L01)は、フィーチャーフォンからの乗り換えユーザーや、40~50代の男女などをターゲットに、使いやすさを重視して開発した京セラ製のAndroid 4.2スマートフォン。筐体幅を約65mmとし、片手での持ちやすさも考慮。電源キー、端末下部のハードキー、背面のカメラライト周辺部にアルミを用いて高級感も演出した。発売日は6~7月頃を予定している。

 「エントリーホーム」と呼ばれる京セラ独自のホームアプリをプリインストールし、スマートフォンを初めて使うユーザーに配慮した。スクリーン切り替えはできないようになっており、ホーム画面は1画面で利用する。従来の携帯電話の待受画面のように、画面下部には不在着信や新着メール・SMS、アプリのアップデート通知などが表示され、メニュー画面ではアプリや機能をカテゴリーごとにまとめた上で、名称なども“データフォルダ”のようにするなど、フィーチャーフォンユーザーに親しみやすいものになっている。

 ディスプレイは約4.7インチ、720×1280ドットのTFT液晶。ディスプレイ部分で音を出力する「スマートソニックレシーバー」も搭載するが、初めて採用された「URBANO PROGRESSO」のものよりも音圧アップなどが施されているほか、新たに「聞こえ調整」機能が用意された。「聞こえ調整」機能では、高音域と低音域の強調の仕方、抑え方などを工夫することで、“やわらかく・はっきりと・おさえめに”という3段階の音質設定が可能。これにより、個人差のある音の聞こえ方にも合わせることができ、より聴き取りやすくなるという。また、相手の声のスピードを調整する機能、ノイズキャンセル機能なども用意される。

 なお、京セラによれば、スマートソニックレシーバーはKDDIと共同で開発したもので、これまで「URBANO PROGRESSO」「簡単ケータイ K012」「DIGNO S」の3モデルに搭載され、3月までに累計出荷台数が100万台を突破しているという。

 アウトカメラは約1300万画素のCMOSで、インカメラは約97万画素のCMOS。静止画撮影機能では、一眼カメラのような雰囲気のある撮影が行える「背景ぼかし撮影」機能を新たに搭載。シャッターを切ると続けてもう一度自動でシャッターを切り、2枚の画像の遠近を分析して背景だけをぼかすようになっている。さらに、ノイズ除去と手ブレ補正の処理を組み合わせることで夜景などをより美しく撮影できる「夜景オートノイズリダクション」も備える。動画は1080p/30fpsのフルHD画質で撮影可能。

 チップセットは1.5GHz駆動のデュアルコア、クアルコム製の「MSM8960」を搭載する。メモリは2GBで、内蔵ストレージは16GB。外部ストレージとして最大64GBのmicroSDXCカードを利用できる。

 ネットワーク関連の機能では、「インテリジェントWi-Fi」機能が新しい。加速度センサーを活用して歩行や車両などでの移動を検知し、静止した時のみWi-Fiアクセスポイントを検索する。これにより、街中の公衆無線LANへの接続を繰り返し試みることで、かえってネットワークにアクセスできないといった現象を回避できる。静止時間が2分間続くとWi-Fiがオンに、移動が始まるとオフになるという仕組みで、モバイルルーターなどでWi-Fi接続が継続している間はオフになることはない。

 バッテリーの消耗を抑えるためのオリジナル機能「省電力ナビ」では、7日間以上使われていないアプリの3Gや4Gでのバックグラウンド通信を抑制する「オート通信制御」機能や、指定した時間帯に省電力モードに切り替えられる「タイマー設定」機能などが新たに追加された。

 このほか、端末に向かってしゃべるだけで検索やアプリ起動などが行える「すぐごえ」、Androidが標準で用意しているものより大きなフォントサイズにできる「でか文字」といった機能を備える。また、歩数計や消費カロリー計算の機能を備えた「デイリーステップ」、その「デイリーステップ」で記録したデータをタニタの「Health Planet」アプリに連携してより細かい健康管理が行える機能なども利用可能。

 これまで京セラ製端末に搭載されてきた「すぐ文字」機能もバージョンアップし、書き方の難しい漢字を拡大表示できる「漢字チェック」機能が新たに加わった。アプリのショートカットを凝ったグラフィックのフォルダ型ウィジェットに配置しておける「My Selection」も引き続き利用できるが、従来よりもアニメーションが高速化され、より使いやすくなったとしている。

 4G LTEをサポートし、海外ではCDMAやGSM/GPRS、W-CDMAなどでローミングできる。Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/nに対応し、2.4GHzと5GHz帯をサポート。最大10台のWi-Fi機器とテザリングも可能。ワンセグや赤外線通信、NFC、おサイフケータイ(FeliCa)、Bluetooth 4.0、DLNA(DTCP-IP)、IPX5/8・IP5X準拠の防水・防塵に対応。バッテリー容量は2700mAhで、同梱の卓上ホルダで急速充電に対応する。

 大きさは約134×65×10.8mm(最厚部11.3mm)で、重さは約140g。ボディカラーはGreen、White、Blue、Blackの4種類。2013年9月には、非接触充電規格「Qi」に対応したバッテリーと充電台もオプション提供される予定。Qi対応のバッテリーは専用の背面カバーとセットで利用し、その場合端末の厚みは0.5mm程度増え、重量も若干増す見込み。バッテリー容量は変わらない。

津田 啓夢

日沼諭史