HDコンテンツの新保護技術「SeeQVault」ライセンス提供開始

　パナソニック、サムスン電子、ソニー、東芝の4社による協業事業、「Next Generation Secure Memory Initiative」（NSM）は、フラッシュメモリーを使う新しいコンテンツ保護技術「SeeQVault」（シー・キュー・ボルト）のライセンス提供を開始したと発表した。東芝からは「SeeQVault」に対応したmicroSDHCカードのサンプル出荷が3月下旬より開始されることも発表されている。

　「SeeQVault」は、フラッシュメモリーを利用したメモリカードにHDコンテンツを保存し、モバイル端末で利用するケースなどを念頭に策定された次世代の著作権保護技術。これまではコンテンツ保護の観点から、保護された放送コンテンツやダウンロードコンテンツのメモリカードへの保存は、SD画質でのみ可能となっていた。「SeeQVault」では、インターネットにアクセスすることなく、秘密情報や個人情報を保護しながらコピーが可能で、保護対象はMP4形式やTS形式などを含めて、HD画質にまで拡大される。

　テレビやレコーダーなど転送元の機器が「SeeQVault」に対応することで、例えばHD放送のコンテンツや、Blu-rayディスクのコンテンツをHD画質で「SeeQVault」対応のSDカードに保存できるようになる。Blu-rayディスクのコピーについてはサーバー認証経由で対応する。

　NSMは、この新技術により、ハードウェアメーカー、ソフトウェアメーカー、コンテンツプロバイダーらは、エンドユーザーに対し、セキュリティと可搬性を備えた柔軟性の高いHDのコンテンツが提供可能になるとしている。