今週のケータイ Watchの読み方 (2012年6月29日)


 

GoogleがAndroid 4.1やタブレット端末を発表

 


 

 Googleは、米国にて同社の開発者向けイベント「Google I/O」を開催し、最新OSの「Android 4.1」のほか、同社ブランドのタブレット端末「Nexus 7」および“クラウドメディアプレーヤー”の「Nexus Q」を発表した。

 Android 4.1は動作速度の向上がアピールされ、音声検索の拡充やアプリの暗号化なども盛り込まれるが、バージョン番号からも分かるようにAndroid 4.0の改良進化版という位置付けになるようだ。

 一方、GoogleのNexusブランドによる端末ラインナップに、7インチタブレットの「Nexus 7」が加わることになった。Tegra 3搭載などパワフルな面も見られるが、画面解像度やメモリなどは現在の標準的なレベル。重さ340gとかなり軽量に作られ、価格が199ドルと安価に設定されたことから、「Kindle fire」の対抗と見る向きが多いようだ。

 Googleがタブレットにもリードデバイス(お手本になるモデル)を示したことで、「OSを提供する企業によるハードウェア」が、大きな流れになりつつある。Appleは言わずもがなだが、先週マイクロソフトが発表したタブレットの「Surface」もこの流れと同様で、OSを手がける自らが理想とするハードを示してみせた。

 タブレット市場はiPadの独壇場ともいわれ、Googleやマイクロソフトにとっては欠けている市場だ。クラウドを利用したシームレスなコンテンツの連携を目指す上でも、タブレットの市場に一定以上の存在感を持つことは両社にとって急務といえるだろう。

 タッチパネルの操作に始まり、描画、通信とクラウドの利用など、ソフトウェアとハードウェアはかつてないほど綿密な連携が求められている。さらに、OS側はオープンプラットフォームとして提供される時代。ハードウェアメーカーには、単なる性能の向上だけではない、進化の方向性の変化が求められているのかもしれない。

 


Google I/O開幕、「Android 4.1」「Nexus 7」発表

 


 

 

700MHz帯の再編が決着

 


 

 700MHz帯の再編にともない、3.9世代の携帯電話向けとして割り当てられる事業者が決定した。申請のあったイー・アクセス、NTTドコモ、KDDIおよび沖縄セルラー(沖縄セルラーはKDDIと合わせて1社と扱われる)の3社に、それぞれ割り当てられた。いずれも10MHz幅×2で、LTEで利用される予定。審査結果では、既存事業者に対する終了促進措置の実施計画でドコモの計画が優位と評価され、ドコモに第1希望のMiddleバンド(783~793MHz)が割り当てられた。イー・アクセスとKDDIは第2希望が異なったため、そのままイー・アクセスにHighバンド(793~803MHz)、KDDIにLowバンド(773~783MHz)が割り当てられている。ソフトバンクモバイルは、900MHz帯の割り当てを受けたことから、700MHz帯の獲得申請は行っていない。

 700MHz帯で再編の対象となった周波数帯を利用しているのは、FPUと特定ラジオマイク。FPUとはマラソンや駅伝の中継で使われるテレビ局の中継装置のことで、特定ラジオマイクはホールや劇場、スポーツ施設などで使われている。総務省からは、こうした既存設備などの移行措置について、ドコモ、KDDI、沖縄セルラー、イー・アクセスが協力して推進していくことが求められている。一方、実際に利用できるのは2015年以降になる予定で、700MHz帯を今現在のトラフィック対策として活かすのは難しい。3年後の状況を予測するのは困難だが、LTE全盛の時期と考えられる。トラフィックは今後も増加すると見込まれており、いずれにしても各社にとって貴重な周波数帯になりそうだ。

 


総務省で700MHz帯の認定式、川端大臣が求めた「競争と協調」

 

(太田 亮三)

2012/6/29 19:37