シャープ、スマホに搭載できる放射線センサーモジュールを開発


 シャープは、スマートフォンなどのモバイル機器に搭載できる放射線センサーモジュール「QM1H0M005x」を開発した。6月29日からサンプル出荷を開始する。

 今回開発された放射線センサーモジュールは、フォトダイオードと専用ICで構成される。シャープとして、放射線センサーモジュールを手がけるのは今回が初めて。放射線測定では、内部を通る放射線を検知するガイガーミュラー管を用いるものや、シンチレーターと呼ばれる物質が放射線に当たったときの光を測るシンチレーション方式が存在するなか、今回のセンサーは、半導体に放射線が当たると電流が流れる半導体方式を採用する。他の方式のほうが、より高性能ながら、半導体方式は小型化が可能とのこと。

 放射線(ガンマ線)によってフォトダイオードが発する微弱な電流を増幅しつつ、振動や衝撃など外部のノイズを取り除く専用ICは、シャープがこれまで高周波チューナーなどで培ったアナログ回路技術が用いられている。これにより、汎用部品を用いて同社が設計した場合と比べ、約55%の小型化が実現できたという。消費電力は、通常7.5mWとなる。

 サンプル価格は1万500円で、月産2万個となる。量産開始は8月31日。なお、ソフトバンクモバイルが夏モデルとして発表した「PANTONE 5 107SH」には、このモジュールが搭載される。




(関口 聖)

2012/6/6 14:54