「モバイル Google マップ」に公共機関や商業施設のインドア地図


東京駅周辺
駅構内のテナントが表示される

 グーグルは、Android向けの地図アプリ「モバイル Google マップ」において、空港や駅、デパートなどの構内図が閲覧できる「インドア Google マップ」(β版)を追加した。アプリを最新バージョンにすることで利用できる。「モバイル Google マップ」はAndroid 2.2以上で動作し、アプリはAndroidマーケットからダウンロードできる。

 「インドア Google マップ」は、空港施設や主要駅、百貨店などの構内図が確認できる新機能。地図上で対応する施設を拡大していくと、対応する施設では構内図も表示される。さらに、複数階に渡る施設では、自分のいるフロアの地図が表示され、画面右側の階数番号をタッチすれば各フロア毎の地図も確認できる。

 地図情報ではテナント名のほか、エスカレーターやエレベーター、階段の位置が確認でき、トイレの場所にはオムツ替え対応トイレなどもチェックできる。AEDの設置場所も掲載されている。

 今回の「インドア Google マップ」には、日本百貨店協会が全面的に協力しており、対応するデパートのテナントの場所なども表示されている。また、これまでのGoogle マップと同様に、Googleプレイスによる店舗情報なども連携する。

 なお、「モバイル Google マップ」では、携帯電話の基地局情報、GPSの位置情報、そして公衆無線LANサービスなどのWi-Fiを利用して現在地を判別している。ビルの階数などの判別にはWi-Fiを利用している。


丸ビル周辺地下フロアを表示

対象施設

 サービス開始当初、101の施設で導入される。導入施設は以下の通り。

【交通機関】
・JR山手線/中央本線/総武線/埼京線/京浜東北線の東京都23区内の主要駅
・東急東横線/東急田園都市線/東急大井町線の主要駅
・羽田空港/成田空港

【商業施設】
・伊勢丹/小田急百貨店/京王百貨店/Shibuya 109/109 MEN'S/西武/大丸/高島屋/東急百貨店/東武百貨店/プランタン銀座/松坂屋/松屋/マルイ/三越
・ヴィーナスフォート/デックス東京ビーチ/レミイ五反田/丸ビル/新丸ビル/丸の内OAZO/ららぽーと豊洲/丸の内ブリックスクエア/東京ビルTOKIA/東京ミッドタウン
・東急ハンズ/日本科学未来館

 また今後、都営地下鉄の全101駅、JR山手線/中央本線/総武線/埼京線/京浜東北線の東京都および千葉県内の77駅、東急電鉄の全98駅といった交通機関のほか、アークヒルズや六本木ヒルズ、サンシャインシティ、アクアシティお台場、ららぽーとTokyobayなどの商業施設もサポートされる予定。



日米共同発表、外国人観光客の利用促進も

 「インドア Google マップ」は、米国と日本でスタートした取り組み。グーグルでは今後、英語化に取り組み、外国人観光客の利用なども促進していく。また、日本人が米国内の対象施設に行った場合に、日本語で地図が確認できるような展開も進める。

 現時点ではナビ機能には対応していない。デパート内のストリートビューのような機能については、「いろいろ実現していきたい」(グーグル プロダクトマネージャー 牧田信弘氏)とのこと。牧田氏は、「我々は全ての場所をマップ化したい」と意欲を示していた。

 日本百貨店協会の企画開発部長である西田光宏氏は、Googleマップの新たな取り組みに対して顧客の利便性向上につながるとして歓迎の意を述べた。デパートの主要顧客層は40代、若い世代に普及拡大するスマートフォンへの対応で、新たな顧客層を開拓したい考えだ。同氏は、百貨店を伝統産業と語り、今回のグーグルとの連携をきっかけに「殻に閉じこもった体制から1歩踏み出したい」と話した。


グーグルの牧田氏日本百貨店協会の西田氏

 

(津田 啓夢)

2011/11/30 13:27