MCFの市場調査、携帯コンテンツ関連市場は1.6兆円に


 モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、2010年1月~12月のモバイルコンテンツ市場およびモバイルコンテンツ市場の調査結果を公表した。今回よりスマートフォンなどのオープンプラットフォーム市場についても調査結果がまとめられている。

 MCFでは、携帯電話(フィーチャーフォン)市場のうち、着信音やゲームといったデジタルコンテンツを「モバイルコンテンツ市場」、物販やサービス、トランザクション分野を「モバイルコマース市場」としている。

 両市場を合わせたモバイルコンテンツ関連市場は2010年、対前年比109%の1兆6550億円となった。なお、モバイルコンテンツ市場は対前年比117%の6465億円、モバイルコマース市場は対前年比104%の1兆85億円となっている。

モバイルコンテンツ市場、オープン市場も急拡大

 モバイルコンテンツ市場で急成長したのは、アイテム課金市場。SNSのアバターアイテムなど、アイテム課金コンテンツの市場となり、対前年比311%、1389億円の市場に拡大した。同市場は、モバイルコンテンツ市場の中でも最大の市場となっている。

 また、動画市場は対前年比145%で162億円、辞書や学習、健康関連コンテンツの生活情報市場は対前年比140%の170億円と、前年よりも市場が拡大している。その一方、モバイルコンテンツ市場で第2位の市場規模を誇る着うた/着うたフル市場は、対前年比94%の1133億円、第3位のモバイルゲーム市場は対前年比93%の822億円となり、いずれも前年割れとなった。MCFでは、有料会員型のビジネスモデルから、無料を前提としたフリーミアムのコンテンツ利用へ移行していると分析している。

 なお、スマートフォンのオープンプラットフォーム上におけるモバイルコンテンツ市場は、2010年、123億円市場となった。フィーチャーフォン向けの市場と比較するとわずか2%程度だが、対前年比は351%と大幅な成長が見られる。

モバイルコマース市場

 モバイルコマース市場は、物販系が対前年比103%の4392億円、サービス系が対前年比106%の4109億円、トランザクション系が対前年比103%の1584億円と成長率は落ち着いている。モバイルコマース市場全体としては、2010年に1兆85億円となり、初めて1兆円市場となった。

 携帯電話で商品を購入する物販系の市場は、リアル店舗やショッピングモールサイトなどでの売上げが増加する一方、モバイル物販専業企業が伸び悩んだ。携帯電話で興行チケットや交通チケットを購入するサービス系の市場は、2009年に引き続き、予約購入や改札チェックインといった交通系市場が増加傾向にある。

 なお、モバイルコマース市場はフィーチャーフォンとスマートフォンは区別されておらず、一部オープンプラットフォーム経由の売上げが含まれる。

 

(津田 啓夢)

2011/7/15 19:24