電子ペーパー搭載の電子書籍端末「biblio Leaf SP02」


biblio Leaf SP02

 「biblio Leaf SP02」は、ディスプレイに6インチの電子ペーパーを搭載した電子書籍専用端末。対応フォーマットはXMDF/PDF/EPUBとなる予定だが、詳細は今後発表される。12月下旬以降に発売予定で、価格は未定。

 「biblio Leaf」は、3G/Wi-Fi対応の電子書籍専用端末。KDDIでは、ソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞社の4社が中心となる電子書籍配信プラットフォームの整備を進めており、「biblio Leaf」はその専用端末になるものとみられる。型番は、auの専用端末を示す「SP」(Specific)を頭につけて「SP02」となっている。ちなみに「SP01」は、通信対応デジタルフォトフレーム「PHOTO-U」。

 電子書籍の購入・閲覧が行えるほか、カレンダー、電卓、メモ帳の機能が用意されている。電子書籍専用端末となるため、通話やメール、EZwebなどには対応しない。今後、4社の電子書籍配信プラットフォームが発表される模様で、端末発売までにこのプラットフォームに対応したKDDIの電子書籍サービスが明らかになるようだ。

 ディスプレイはE Ink社の約6インチ、800×600ドット、16階調のモノクロ表示の電子ペーパーディスプレイを搭載する。カラー表示はできない。本体には専用スタイラスペンが収納されており、このスタイラスペンによるタッチ操作が可能。タッチセンサーは表面ではなく電子ペーパーディスプレイの裏側に搭載されていて、感圧方式や静電容量方式とは異なる。このため、専用のスタイラスペンのみでタッチ操作に対応する。

 電子ペーパーディスプレイは、ページが切り替わる際に電力を使い、表示そのものには電力を消費しない仕組み。このため動作時間に定量化できるデータはないが、連続使用で約7500ページめくり(文庫本約25冊相当)が可能となる。前面の下部には小型のソーラーパネルが搭載されており、太陽光で内蔵バッテリーの充電が可能。太陽光で満充電にするというより、電池を長持ちさせるために補助的にソーラーパネルが使われる。

 内蔵される通信モジュールは、CDMA 1xEV-DO Rev.AおよびIEEE802.11b/g/nをサポートする。本体メモリは2GBで、外部メモリーはmicroSDカードに対応する。本体メモリだけで約2000冊の電子書籍データが保存できるとしている。端末下部にはmicroUSB端子が搭載されており、PDFなどユーザーが用意したデータをパソコンから転送できるほか、充電もこの端子で行う。

 ディスプレイの下には、上下左右キーなど、各種の操作を行う5つのキーが用意されており、側面には文字の拡大・縮小を行うキーを装備する。パッケージには本体を収納できるカバーが同梱される。

 なお、「biblio」の名称は、2009年に電子書籍対応携帯電話として登場した東芝製モデルで使われた。「biblio Leaf」は、後継モデルに位置付けられるが、メーカーはKDDI、本体開発は台湾のFoxconnとの共同開発となっている。Foxconnは、デジタル機器の生産を請け負ういわゆるEMS企業。Amazon.comの電子書籍端末「Kindle」や、家庭用ゲーム機などの生産などを受託している。

 大きさは約198×130×9.6mmで、重さは約295.8g。いずれも暫定値とされている。ボディカラーはホワイトの1色展開。

 



(津田 啓夢/太田 亮三)

2010/10/18 11:00