日本通信、地域WiMAX向けシステム提供事業から撤退


 日本通信は、地域WiMAX事業者向けに「共用CSN(Connectivity Service Network)」と呼ばれるシステムを提供する、としていた事業について、「本事業に対する地域WiMAX推進協議会の立場が変化した」ことを理由に、同事業から撤退すると発表した。

 同社では5月、携帯電話など無線通信を手がける事業者に対して、認証設備や課金設備を提供する「MCNE(Mobile Carrier Network Enabler)事業」を展開すると発表。各地のCATV事業者などによる地域WiMAX(地域限定のモバイルWiMAX方式によるデータ通信サービス)に対し、共用設備を提供する共用CSN事業を展開するとしていた。共用CSNを導入することで、地域WiMAX事業者のサービスにおいて店頭販売されているWiMAX端末が利用できたり、ローミングしたりできるといったメリットが見込まれていた。

 今回発表された共用CSN事業撤退について、日本通信では「事業推進の前提は、地域WiMAX推進協議会から当社が推奨され、その全面的支援が受けられることにあったが、KDDIが批判的な動きを取り、それに対する対応が不十分であるなど、協議会の立場が大きく変化した事実が明らかになった」としており、協議会の全面的支援なしでは経営リスクが高まると判断し、撤退することにした。

 

 



(関口 聖)

2010/7/30 11:38