ヤフー「路線・地図アプリ」、カーナビの走行軌跡を取得可能に


 ヤフーは、カーナビゲーションシステム(カーナビ)との連携や徒歩ナビなどが利用できる携帯電話向けアプリ「路線・地図アプリ」をバージョンアップし、28日より提供を開始した。

 「路線・地図アプリ」は、地図閲覧や目的地までのルート検索/乗換案内などが利用できるGPS対応アプリ。これまでEZアプリ版、S!アプリ版が提供されてきたが、今回のリニューアルにあわせiアプリ版も提供されることになった。

 今回のリニューアルでは、カーナビとのデータをやり取りできるようになった。カーナビへのデータ送信のうち、事前に調べた店舗情報の送信はS!アプリ版でのみ利用できたが、リニューアル後はEZアプリ版、S!アプリ版で利用できる。パソコン版「Yahoo!地図」「Yahoo!ドライブ」「ワイワイマップ」で調べた場所もカーナビへ送信できるようになる。対応カーナビは、トヨタのG-BOOK、レクサス G-Link、日産 カーウイングス、マツダ G-BOOK、スバル G-BOOK、パナソニック ストラーダとなる。

 また、EZアプリ版「路線・地図アプリ」では、auの「EZカーナビリンク」を経由して、Bluetoothでカーナビと位置情報を通信できる。5月発売予定というトヨタのディーラーオプションナビとダイハツのディーラーオプションナビでは、地点情報や走行軌跡を携帯電話側へ送信できる。受信したデータは、パソコン向け「Yahoo!ドライブ」で閲覧、編集でき、旅行時の走行データを元に写真を投稿したりすることもできる。

カーナビのメニューにYahoo!のアイコンヤフーのサービスと連携できる項目が一通り並ぶ

 ヤフーでは、いつでもどこでも機器に応じた同社サービスを利用できるようにする「Yahoo! Everywhere構想」を掲げている。その思想に基づいた携帯・カーナビとの連携サービスが1年前の2009年5月より提供されてきた。今回のリニューアルでは、カーナビからの情報を携帯電話で送受信できるようになったのが最大のトピック。目的地などの地点情報を最大100件まで、携帯電話とカーナビで送受信できる(POIX対応)ようになった。旅行前に携帯電話やパソコンで調べた目的地、店舗の情報を手軽にカーナビへ送信できるほか、カーナビを買い替えた際も、それまで培ってきた地点情報を旧機種から新機種へ携帯経由で簡単に移行できる。

 担当者は、ニッチなニーズへ応えるサービスながら、自動的に蓄積されたデータを集約できるようになることで、旅行をともにした友人や親族など身近な人をはじめとするコミュニケーション、あるいは移動軌跡の応用が活発化するといったメリットを挙げる。またライフログの一種とも言えるデータであることから、将来的にはビジネスとして何らかのデータ活用もあり得るとする。ただ、モバイル機器のGPS測位と比べ、自動車の測位は高性能とのことで、高精度の走行軌跡を地図上で再生するというシンプルな楽しみ方もできるという。

 



(関口 聖)

2010/4/28 13:31