「auフェムトセル」今夏スタート、3月からトライアル実施


 KDDIは、宅内用小型基地局「auフェムトセル」を2010年夏にも提供すると発表した。これに伴い、2010年3月より関東の一部地域でトライアル運用を開始する。

 「auフェムトセル」は、個人ユーザーの宅内にある固定通信回線を使って、半径10m程度の小さな携帯電話通話エリアを形成する小型基地局。トライアルは1都3県(東京/神奈川/千葉/埼玉)、500名程度の規模で実施される。

 なお、今回のトライアルではモニターの一般募集はしていない。au携帯電話を利用し、auの光回線サービス「auひかり」(ホーム、マンション、マンションミニギガ)に契約しているユーザーに対して、KDDI側から個別に協力を依頼する。安定したエリア形成や携帯電話の操作性などを検証し、夏の本サービス開始を目指すとしている。

 KDDIでは本サービスの詳細について、有料/無料を含め、サービス提供形態については検討中としている。トライアルの環境では、「auひかり」のみに接続可能で、他のブロードバンド回線には接続できない仕様だが、他事業者の回線への接続についても検討しているという(KDDI広報部)。

 また、KDDIでは屋外の電波を増幅させて屋内に引き込み、再送信する小電力レピータ「auレピータ」を提供している。これは、Webサイトで展開している「みんなでつくろう!auエリア」において、電波状態が悪いと回答したユーザーに対し、KDDIが宅内環境を調査した上で提供しているものだ。今回の「auフェムトセル」をこうしたラインナップに追加することで、ユーザーの環境に合わせたエリア改善が可能になるとしている。

 これに伴い日立製作所からは、KDDIに対してCDMA2000方式のフェムトセルシステムを供給することが明らかにされた。このシステムは、CDMA2000 1xの音声サービスと、CDMA 1x EV-DOのデータ通信サービスを提供するもの。フェムトセル基地局、局舎側の音声向け呼処理サーバー「SIPサーバ」、ネットワークゲートウェイ装置、システム管理サーバーなどで構成される。

 



(津田 啓夢)

2010/2/2 14:44