リコーなど、紙を使った電子ペーパーの発色試験に成功


 リコー、アグリバイオインダストリ、北海道大学大学院工学研究科 田島健次准教授の三者は、バクテリアセルロースから作成した紙を電気的に発色させる実験に成功したと発表した。この実験結果により、紙でできた電子ペーパーの実現が可能になるという。

 今回行われた実験は、バクテリアによって合成されるバクテリアセルロースを用いた「紙」を製作できる手法を確立した上で、電圧をかけると発色するエレクトロクロミック色素をバクテリアセルロースの紙に浸透させ、両面に電極を形成して電気的に発色させることに成功したというもの。

 紙そのものが発色するため、発色に際してガラスやプラスチックといった支持基板が必要なく、低コストになるという。また、バクテリアセルロースは保水性、破れにくさ、自然に返りやすい生分解性といった特徴を持ち、森林資源を使用しない環境にやさしい技術という。

 発表の中では、実用化にはまだ年月を要するとするものの、紙でできた電子ペーパーの実現可能性が実証できたとしている。

 

(太田 亮三)

2009/7/2 16:00