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「Apple Watch 3」セルラーモデルに落とし穴? MVNOでは利用できず

 アップルから発売されたスマートウォッチ「Apple Watch Series 3」では、iPhoneなしでも単体でモバイル通信できる「GPS+Cellularモデル(セルラーモデル)」が新たに加わった。eSIMと呼ばれる組込型のSIMカードを内蔵しており、国内ではアップルのほか、NTTドコモ、au、ソフトバンクでも取り扱われる。

 3キャリアの案内では、「Apple Watch Series 3」のセルラーモデルを利用するには、auならauを主回線とするiPhoneを、ドコモならドコモを主回線とするiPhoneが必要とされる。

 では「Apple Watch Series 3」はMVNOで使えないのだろうか。

 ここで言う「Apple Watch Series 3」とMVNOの組み合わせは、単純に考えればiPhone側の回線だけではなく「Apple Watch Series 3」で使う回線も含まれるだろう。だが、eSIMという仕組み上、「Apple Watch Series 3」の回線をMVNOにするのは難しいのでは、と説明するのはIIJだ。

 IIJは「現在、キャリアからMVNOに提供されている設備ではeSIMを書き換えることができない。直近ではセルラーモデルをIIJmioで利用できないと思われる」とコメント。主回線たるiPhoneをIIJmio(ドコモSIM)にしている場合については、22日の発売後、IIJ側で確認したところ、「GPSモデルとしては利用できるようだが、セルラーモデルのモバイル通信機能は利用できない」と同社ブログで報告している。

 では、IIJが加入者管理情報を活用する「フルMVNO」になった場合はどうなるのか。IIJでは「サービス形態のひとつとしてeSIMの提供を視野に入れているのは事実」としつつも、Apple WatchセルラーモデルのeSIMが、携帯電話の世界的団体であるGSMAの標準仕様に沿ったものか情報がないこと、またiPadで活用されている「Apple SIM」はアップル社独自のプラットフォームとされておりApple Watchもアップル独自の仕組みであればフルMVNOであっても対応できないと説明する。

 このほか、大手キャリアのサブブランドであるワイモバイル回線について、ソフトバンク社では「ソフトバンクブランドの回線が必要であり、ワイモバイル回線では利用できない」と説明する。au回線を利用するUQ Mobile(UQコミュニケーションズ)は「Apple Watch Series 3セルラーモデルの動作確認はとれていない」としている。