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GPSや高度も針で表示、エプソンがアナログ時計の新ブランド「TRUME」

 エプソンは、GPS、気圧・高度、方位センサーの情報も針で表示する、アナログ時計の新ブランド「TRUME」(トゥルーム)の第1弾モデルを発表した。発売日は9月28日で、レザーバンドモデルは12月に発売される。価格は24万円~28万円(税抜)。

「TRUME」TR-MB8001
「TRUME」TR-MB8005

 「TRUME」第1弾モデルは、時刻や各種センサーの情報をすべて針で表示するアナログ時計。GPS、気圧・高度センサー、方位センサーを搭載している。スマートフォンとの連携機能は搭載されない。

 時刻は短針と長針で常に表示される。10時の位置にある小針は秒針。センター針と、2時と6時の位置にある小針(いずれも色が付いている針)で、表示モードやセンサーの数値を表示する。

 針で数値を指し示すだけでなく、方位センサーの表示では、赤いセンター針が常に北を指すなど、コンパスのように表示する。また、GPS情報と方位センサーを活用し、例えば滞在中のホテルの方角と現在地からの距離を(針で)表示する、ウェイポイント機能も用意されている。

 GPS情報は「みちびき(初号機)」にも対応。さらに、GPS情報で現在位置のタイムゾーンが特定され、外国でも正確な時刻に補正される。

 上位モデルには、キーホルダーなどとして持ち歩ける外部センサー「エクスパンデッドセンサー」が付属し、温度、紫外線、歩数、消費カロリーも、時計の文字盤上で表示できる。時計本体とエクスパンデッドセンサーはBluetoothで接続される。

 文字盤に搭載された「ライトチャージ」により、室内の光や太陽の光で発電を行うことが可能。内蔵充電池はライトチャージのみで充電を行う。

 ベゼルの一部はセラミック製で、リング状のGPSアンテナも兼ねる。ケースおよびメタルブレスレットはチタン製。

 GPSの時刻修正を行わない場合の精度は平均月差±15秒。防水性能は10気圧防水(日常生活用強化防水)。動作温度は-10度~+60度。エクスパンデッドセンサーはコイン電池(CR2032)で駆動する。

 駆動時間は、フル充電でパワーセーブが作動せず光充電をしない場合で約6カ月。フル充電でスリープ機能が作動した場合は約2年。

 風防はサファイアクリスタルで、両面無反射コーティングが施される。大きさは約60.2×48.6×15.5mmで、重さはメタルブレスレットモデルが約135g、レザーバンドモデルが約110g。

 上位モデルにあたる「TR-MB800x」シリーズは、エクスパンデッドセンサーが付属。また上位モデルのうちメタルブレスレットのモデルには、別パーツとして作られるオーナメントがラグ部分にはめ込まれている。

センサーとアナログ表示を融合「エプソンならではの腕時計」

「TRUME」を披露するセイコーエプソン 代表取締役社長の碓井稔氏

 エプソンは、19日に「TRUME」の発表会を開催した。同ブランドのモデルは、半導体の製造や、精緻な製造・組み立て技術に支えられた同社の垂直統合型ビジネスモデルを活かしたエプソンならではの腕時計になるとした上で、あえてスマートフォンやインターネットには接続しないモデルにし、同社が「ウオッチの本質」という、針によるアナログ表示にこだわった様子が語られた。

 セイコーエプソン 代表取締役社長の碓井稔氏は、「スマートウォッチにあえて媚びることはしない」とし、スマートフォン側の機能や規格の進化(あるいは衰退)に強く影響されるスマートウォッチではなく、より長く使えて、計器としての使う楽しさも追求したモデルであることを強調した。

 今後のモデルについては、今回発表のラインナップが「ハイエンドでもないし、ローエンドでもない」とし、幅広く展開していく。エプソン全体の腕時計事業も規模を拡大させていく方針を打ち出している。