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今の気分にピッタリな旅行プランを提案、AI戦略を加速するgoo

 NTTレゾナントは、ポータルサービス「goo」についての事業説明会を実施した。社長の若井昌宏氏は、AI(人工知能)を活用したサービスへの注力する方針を打ち出した。「gooのスマホ」の新製品「g07+」の概要は、別記事にて紹介している。

 ポータルサイトとしてスタートした「goo」は、発表会が実施された3月27日で20周年を迎える。20年の間でQ&Aサイト「教えて!goo」や安否確認サービスJ-anpiなどを展開。NTTグループの“黒子”としてiモード検索やdメニューなどのポータルサイトを運営してきた。

NTTレゾナント 代表取締役社長 若井昌宏氏

 若井氏は「人に例えたら成人になる20周年。gooはますます進化していく」と紹介。2016年より取り組んでいる「gooのAI」のサービスを拡大していくとした。

 2016年9月に開始した「gooのAI」第1弾の恋愛相談サービスでは、累計4000人の相談に回答し、回答の満足度も向上しているという。日本テレビとの共同実験として、テレビ番組で紹介されたお店を提案するWebチャットも展開した。

AIによる旅行相談サービスを9月開始

 「gooのAI」第2弾として、「旅行」をテーマにした会話型AIサービスが発表された。ユーザーとのチャットの中から旅行プランを提案するもので、9月に提供を開始する。

 「今の気分は?」といった質問から、会話を繰り返すことでユーザーが行きたい旅行先や体験したいことを推測し、旅行プランを提案するサービスとなるという。データは「教えて!goo」に加え、gooブログの旅行関連エントリー、goo旅行やgoo地図の専門情報を使用することで、精度を向上させる。

新サービスのデモンストレーション

「gooが作るしかない」

NTTレゾナント ポータルサービス部門長 鈴木基久氏

 「goo」を統括するポータルサービス部門長の鈴木基久氏は、「我々は“オタク集団”。日本のオタクとしての苛立ちや渇望を起点として、ユーザーの要望にも応えるよう、進化の方向性を探ってきた」と語る。

 結果として、初の日本語検索サービスや、表記揺れ吸収機能、「辞書を引かないアメリカ人は作ってくれなかった」というオンライン辞書などを先駆けて提供してきたという。

 鈴木氏は「グローバルスタンダードには欠けている、日本の我々が使う上でどうしても必要な技術を提供してきた。世界の企業が追随し、凌駕していったものもあるが、それはそれでいいと思っている」とし、「日本に固有の問題にはgooが先鞭をつける」と日本市場に特化した戦略を示した。

 今後に向けたスローガンとして「もっとフィット。」「もっと知ってる。」「もっとそばに。」という3つを紹介した。

 このうち、「もっとフィット。」にはAIによる意図理解、「もっと知ってる。」にはAIによる潜在需要の掘り起こしが含まれているという。

「gooのスマホ」の立ち位置は?

 AIとは直接の関連がない「gooのスマホ」は、「もっとそばに。」の具体例として紹介された。直接触れるデバイスとして、インターネットでサービスを提供するgooを象徴する役割を担っている。

 「gooのスマホ」シリーズでは、市場に出回っている端末では満たせないない需要に答えるというコンセプトで端末を企画される。ユーザーの声に応じて開発するニッチ戦略で、鈴木氏はこれを「ほしいものを具現化するための技術開発」と表現した。

 鈴木氏によると「g09まで用意している」といい、現在の市場には「画面の大きい端末が多く、(g06のような)小型端末がまだ足りていない」とした。