ニュース

「DSDS機で格安」、担当者が語る「g07」のコンセプトとは

 NTTレゾナントは、オリジナルブランドのAndroidスマートフォンとして、5.5インチディスプレイを搭載した“ミドルハイ”レンジの「g07」(グーマルナナ)を発表した。同社直販価格は1万9800円(税抜)。

 端末については別のニュース記事でお伝えしている。本稿では14日に開催された記者向けの説明会の模様をお伝えする。

「g07」を手に解説するNTTレゾナント ポータルサービス部門長の鈴木基久氏

 説明会に登壇したNTTレゾナント ポータルサービス部門長の鈴木基久氏は、“gooのスマホ”として打ち出してきたオリジナルブランドのスマートフォンが、大手キャリアのラインナップの隙を突く形で、その時々で追求したいコンセプトや課題を解決する「エッジを立たせたもの」として提供してきたことを振り返る。

 例えば初代モデルの「g01」は大手キャリアのモデルに対して、格安で提供することが追求された。ほかにも、「g05」では女性ユーザーの獲得を狙い、「g06」はサイズの大型化への疑問提起を込めて小型のモデルとした、といった具合。

 では今回発表されたモデルはどういった需要に対応するものなのか。

 鈴木氏は、検索サービスやポータルサイトを運営するgooの強みとして、検索されるキーワード(クエリ)の傾向を注視しており、2016年の夏頃から急に検索され始めた、あるキーワードに注目する。絶対的な検索件数は明らかにされていないが、突然増えたことから特に注目したという。

 そのキーワードが、「g07」でも対応する「DSDS」(Dual SIM Dual Standby)だ。日本のSIMフリー端末の市場では、モトローラが「Moto G4 Plus」でDSDSに対応したことをきっかけに、ASUSやZTE、ファーウェイなどから続々とDSDS対応モデルが登場している。LTEと3Gの同時待ち受けなど、国内だけの利用でも実用的になっていることから、先端層のユーザーを中心に注目を集めている。「Moto G4 Plus」はgooでも取り扱い、販売している。

 鈴木氏は、モトローラが「Moto G4 Plus」にあたるモデルの技適を申請・取得した頃から、DSDSのクエリが少しずつ増えていたとし、同モデルの発表を機に一気にクエリが増加したことを示した。また同社では、2015年の夏前頃から、「g07」につながる、DSDS対応モデルの企画を開始していたという。

大手キャリアからの移行、まずは「DSDSで併用してみては」

 鈴木氏は、DSDS対応モデルが便利なシーンとして、海外出張などで現地のSIMカードを購入・装着してローミングなどより通信費を抑えられる点や、会社の回線と個人の回線といった仕事・プライベートの使い分けを紹介する。

 一方で、ユーザーへの訴求において「破壊的な効果があるのは、通信費の削減」とも指摘。特に、スマートフォンを使っていてもフィーチャーフォンを手放せない、2台持ちのユーザーは、通信コストを非常に重視するユーザー層であると分析。「こういう人にもDSDSは良い提案。DSDSで格安SIMを併用してみてはどうか」と提案し、大手キャリアの回線は通話用途に絞ったプランに変更し、データ通信は格安SIMで通信費を抑えるという具体的な組み合わせも紹介。大手キャリアの回線を手放せないユーザーにもDSDS対応モデルは有効な選択肢になれるとアピールした。

 このほか、「g07」は2万円を切る価格で販売(直販サイト)し、ほかのメーカーの同じクラスのスペックのDSDS対応モデルと比較しても、大幅に安価な設定であることを紹介。「gooのスマホはコストパフォーマンスでも好評をいただいている。我々は端末で稼がなくてもいい。ヘビーユーザーが増え、コンテンツを利用してもらえれば回収できるという仕組み」と、価格設定の裏側も明かした。

「g07」

「gooメモ」、カード型にして綺麗に参照、評価や共有も簡単に

 gooのスマホでは、gooが独自に開発したアプリや検索機能をAndroidに組み込むなど、ソフトウェア面でも進化を続けている。今回の「g07」では、従来でも分かりづらいAPN設定などについて、簡単に設定できるアプリを用意。DSDSとして2つのSIMカードを設定する際にも分かりやすくなっている。

 また、gooオリジナルアプリとして、新たに「gooメモ」も開発された。こちらは「g07」へのプリインストールのほか、14日からGoogle Playで配信が開始されている。

 「gooメモ」はgooの視点でメモアプリを開発したもので、パラパラとめくるカード型のユーザーインターフェイスを採用。気になるサイトなどはクリッピングすることで自動的にカード型のメモに整形されるほか、写真の追加やレーティング(評価)もカード型フォーマットの中に含まれており、用事が済んだあとも評価を加えたり友人と共有したりできるようになっている。

「g07」発売キャンペーン

 「g07」の発売を記念したキャンペーンも実施される。直販のgoo Simsellerにて「g07」を購入した先着907名に、gooポイントで3000ポイント(3000円相当)がプレゼントされる。これにより、1万9800円の「g07」が、実質1万6800円になるとしている。