ニュース
「同じカウントフリーでもパッションが違う」~LINEモバイル嘉戸社長、囲み取材一問一答
2017年3月14日 18:21
14日、LINEモバイルの記者発表会で、代表取締役社長の嘉戸彩乃氏が報道陣の囲み取材に応えた。主なやり取りを話題別にまとめた。
――プレゼン資料では2月、3月で契約数が伸びているようだが、その要因は?
嘉戸氏
3月が商戦期という季節的なものです。それからお客さまの口コミで拡がっているのが、より3月で如実になっているようです。ネットの記事を調べて購入されるので、そういった点でよくできてきたかなと思います。
――半年振り返って見て、LINEモバイルから「LINE」を利用しはじめる方はいるか?
嘉戸氏
それは大きく感じています。契約者のほかに利用者を登録していただく形にしており、だいたいの年齢層がわかります。これからLINEを使い始めておられるであろう、60代~80代の方が(利用者として登録され)お子さまが購入されてそのまま端末を渡されているのだろうなと。カスタマーサポートでも、非常に問い合わせがあります。「初めてLINEを使うけど、どう端末に入れたらいいのか」「どうやったらトークできるようになるのか」といった質問を承っています。
――実際の利用者数は?
嘉戸氏
すごく開示してほしいというのは感じているのですが、競合との兼ね合いがありますので、公開を控えさせていただいております。
――他社では50万、100万という時点で発表しているが。
嘉戸氏
今後もしメルクマール(指標)のようなわかりやすい数字が出てくれば発表する可能性はもちろんございます。その時の状況に応じて開示する内容を決めてまいります。
――MUSIC+プランを強化するとのことだが、これまでは加入者全体のうちどれくらいを占めるのか。
嘉戸氏
純増のなかでは、そこまで大きな数ではありません。1番はコミュニケーションフリープラン、2番はLINEフリープラン、そしてMUSIC+プランと続いています。
――カウントフリー機能がどの程度、ユーザーの得になっているのか。
嘉戸氏
全データ通信量のうち、3割がカウントフリー機能の通信量です。
――他社はソフトバンクのSIMカードを使い始めようとしているが、関心はあるか。
嘉戸氏
もちろん関心はあります。お客さまにとってどういう形であれば手にとりやすいか、日々ずっと検討しています。その中で一番いいものをやり続けるという感じでしょうか。
――満足度の項目で、通信速度が40%程度だったが……。
嘉戸氏
それは質問の仕方で、どれかを選ぶという形だったためだと思います。LINEモバイルの中でも満足度が高いものから選んでいただく形でしたので。
のんさんの起用について
――のんさんの起用は、事務所問題などが報じられているが、懸念はなかったか。
嘉戸氏
事務所の問題があるというのは認識していたが、なぜのんさんにしたのかというと、「愛と革新。」というキャッチコピーを表現するには、彼女しかいないと信じたからです。彼女自身の表現力で起用を決定しています。
――嘉戸社長の意見ですか?
嘉戸氏
そうですね。社全体の意見ではあります(笑顔で)。
――CMではサービス名と料金しか出ていないが。
嘉戸氏
できるだけそぎ落としてシンプルに伝えることを大事にしました。
――CMはのんさんで第2弾、第3弾と作っていくのか。
嘉戸氏
実施するようであればまた発表したいなと思います。今はまだ検討中です。
リアル店舗について
――CMの実施や店頭での取り組みを新たに実施するということは、これまでの取り組みが限界に来たということか。
嘉戸氏
まったくそんなことはありません。LINEのサービスは小さく始めて、お客さまの反応から自信を得てきて、一気に勝負をかけるというか、より多くの方に使っていただくというのが、もともとの手法のひとつです。
――タッチポイントが10カ所→100カ所にしていく間はずっとビックカメラとヨドバシカメラだけでいくのか。
嘉戸氏
違います(笑)。それはいろんな方法があると思います。たとえばサポート拠点だったり、そうではないカウンターだったり、私どもの旗艦店であったり、ニーズにあわせて提供していくことになると思います。
――旗艦店は、いわば“LINEモバイルショップ”というイメージか。
嘉戸氏
そうですね。
――最近、渋谷にMVNOのショップが増えてきているが、場所はもう決めているのか。
嘉戸氏
(渋谷は)熱いですね。場所はまだ検討中です。
――Webと実店舗での獲得はどちらが多くなるのか。
嘉戸氏
やってみないとわからないと思います。おそらくWebでは、上位3番目くらいには確実にいるくらいの申込完了件数です。より多くの方に触れていただきたいなと思っています。
nova liteが人気
――端末の売れ筋や傾向は?
嘉戸氏
わかりやすく(傾向が)あります。LINEフリープランには、1万円台前半のものがよく売れます。コミュニケーションフリープランではわりとハイスペックな3万円以上のものがよく売れます。1万円台後半~2万円台前半は満遍なくとにかく売れますね。
今、人気なのはファーウェイの「nova lite」。これはもう非常に好感度が高くて、在庫でお客さまにご迷惑をかけています。
――韓国でLINEのキャラクターのスマートフォンが登場しているが、日本ではどうか。
嘉戸氏
オープンに考えて行きたいです。
満遍なく使われるLINEモバイル
――他のMVNOと比べて、LINEモバイルならではの傾向は見えているか。
嘉戸氏
あくまで推測だが、非常に幅広いユーザーの方に使われているのだなと。たとえばお昼休みにものすごくトラフィックが増えるというパターンでは、サラリーマンの方にたくさん使われている場合です。(そういう意味で)他社と違うトラフィックの形になっているのかなと思います。お子さんが使われる、大学生が使われる、30代~40代の働いている方が使われる、という多様性で、各プランに割り付けられているのかなと思います。
AI事業との連携は
――Mobile World CongressにあわせてLINEではAIの「Clova(クローバ)」を発表しましたが。
嘉戸氏
舛田(淳氏、LINE最高戦略・マーケティング責任者)と相談しなきゃ、なんですが、私たちのミッションは人と人、人と情報の距離をモバイルから近づけるというのがミッションです。“スマホの次”が出てくればもちろん協業していくことになります。
カウントフリーで他社と違い打ち出す
――後発となるLINEモバイルだが、一番の差別化要素は?
嘉戸氏
お客さまからよく言われるのはやはりカウントフリー機能ですね。わりとゲーム感覚に近くて「これだけしか(通信量が)減らなかった」ですとか、安心して使えるといったところでしょうか。
――他社も同じようなサービスを提供しているところはありますが。
嘉戸氏
本当の意味で、私たちと同じサービスをやっているところはないのではないかと思います。たとえばデータ容量を使いきっても、カウントフリー対象のサービスはきちんと使い続けられるのかどうか。そのインフラについて、パッションと想いをもって提供しているのかというと、そうではないんじゃないかと思っています。
――コミュニケーションフリープランのカウントフリー対象を拡充する考えは。
嘉戸氏
今のところ予定はないが、他にも、「これはコミュニケーションインフラになるものなんだ」というサービスが出てくれば追加していく考えです。
――MUSIC+プランを拡充するのは、ユーザーからの要望が大きいからか。
嘉戸氏
そうですね、大きいです。LINE MUSICだけではなく、自身が使っているサービスを使いたいという声を伺うことが多く、だったら挑戦しようかと。
――LINE LIVEの無料化は?
嘉戸氏
ちょっとまだ難しいですね。