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ローンチから半年経った「LINEモバイル」、嘉戸社長がその実績を語る
2017年3月14日 17:56
2016年9月にサービスを開始したLINEモバイルが14日、記者発表会を開催した。初めて実施するテレビCMに女優の「のん」を起用し、その映像を披露。また嘉戸彩乃社長から過去半年の実績と、今後の展開が語られた。
高い満足度と低い解約率を実現
MVNOとしては後発ながら、LINEという日本では最大規模の利用者数を誇るメッセージングアプリをバックグラウンドとするLINEモバイル。サービス開始からこれまでの半年間は、「料金プランの進化」「速度」「サポート」の3つに注力してきたと嘉戸氏は語る。
当初、LINEモバイルは、LINEの通信量が無料になるプランと、FacebookやTwitterなど他社のSNSの通信量も無料にするコミュニケーションフリーという2つのプランを用意していた。このうちコミュニケーションフリーは2016年11月、Instagramも対象に追加。そして2017年1月にはLINE MUSICの通信量が無料になるプラン「MUSIC+プラン」を追加。2月には「LINE」そのもののリニューアルで、「ニュースタブ」が加わっており、これも無料対象になっている。
こうして無料対象が拡充され、さらにユーザーも増えるなかで、通信速度を落とさないよう品質を維持してきた、と嘉戸氏は語る。通信速度も、過去半年、ユーザーが増える中でも品質を維持。通信速度の調査でも上位にランクインしている。
「お客さまのコンシェルジュを目指している」(嘉戸氏)というサポート体制では、有人サポートの「いつでもヘルプ」を2016年12月に導入しており、チャットを通じてさまざまな疑問に対応できるようにした。電話窓口のように、待ち時間がない形にして、ユーザーの満足度は96%以上と著しく高い評価を受けている。
右肩上がりの状況が続く
そうした3つの注力ポイントにより、嘉戸氏は「右肩上がりの状況が続いている」と契約数の増加ぶりに胸を張る。週間平均申込完了件数は、10月時点と比べて、2017年2月は約2.4倍、同年3月は3.5倍と伸びている。Amazonでのパッケージ販売は、SIMカードの売れ筋ランキングで、最高2位になった。
さらに月間申込完了ベースでの平均月額基本利用料は、10月時点の1290円から徐々に高額になってきている。
「なぜここまで料金が上がっているのか。より上位のプランを選ぶ方、メインとして音声通話タイプを選ぶ方が増えているため」(嘉戸氏)とのことで、コミュニケーションフリープランを選ぶユーザーは、10月時点で全体の46%だったが、2月には66%、直近では70%を超えつつある。音声通話を利用する割合も、10月は50%だったが、2月は65%にまで伸びた。コミュニケーションフリーでの音声通話対応を選ぶユーザーは80%を超えており、嘉戸氏は「メインとしての利用が加速している状況」と分析する。
満足度について1万人を対象に調査を実施。満足度は93%。これに嘉戸氏は「満足してもらえると思っていたが予想以上だった」と語る。
評価を受けている点は、コストパフォーマンスの良さやカウントフリー機能、データ繰り越し機能などだ。カウントフリーでユーザーが安心して使える環境となり、さらに余ったデータ通信量も繰り越せることでコストパフォーマンスが良いと評価されやすいのだという。
高い満足度の裏返しとして、月間平均解約率は1.2%であることも明らかにされた。解約率を下げる、つまり一度契約したユーザーに逃げられないようにするには、「複雑な契約状況ではなく、ユーザーに愛されること、満足いただけることと信じていた」と語る嘉戸氏は、自分たちのやり方は間違っていなかったと信じるに至った、と述べる。
さらなるサービス拡充、タッチポイントも強化
今後の展開としては、サービス面の強化が実施される予定で、「MUSIC+プラン」で他社の音楽サービスが対象に加わる。そして通話定額も導入される予定だ(※関連記事)。
15日からは、ビックカメラとヨドバシカメラの店頭に、LINEモバイル専用のカウンターが設置される。即日契約が可能など、これまでWebでのみ購入可能だったLINEモバイル回線を実店舗でも手に取れるようになる。嘉戸氏は、こうした拠点を拡充し、タッチポイント(ユーザーとの接点となる場所)をできるだけ早い時期に100カ所まで広げていく方針も明らかにした。