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石巻でポケストップを見つけよう、11月12日に「宮城県×Pokémon GO」イベント

 宮城県と宮城県観光連盟は、11月12日、石巻市において、人気ゲーム「Pokémon GO」と連携したイベントを実施する。石巻周辺を訪れたユーザーが、現地で新たなポケストップを追加できる企画や、周辺をバスで巡るツアーが実施される。会場は石巻市の中瀬公園。

ポケストップをユーザー自身の手で追加できる企画

 ゲーム中、アイテムを得られるスポットである「ポケストップ」は、通常、ユーザーが追加することはできないが、今回、目玉企画として、ポケストップ候補をユーザー自身が申請、認められれば後日、ゲーム上に登場することになった。

 石巻市のほか、周辺の東松島市、女川町、南三陸町が対象エリア。「ポケストップ」としての名前や説明文など必要な情報を揃えて、申請書類に記入して、当日、会場で申請する。受付時間は11月12日10時~14時30分。

申請に必要な情報

・ポケストップ候補名称

・説明文(100字程度)

・写真(512×512ピクセル以上、JPEG/PNG)

・グーグルマップの位置情報か緯度/経度情報を揃えておき、

 審査基準として、ポケストップにふさわしいのは「歴史的・文化的な価値がある場所」「地域にとって大切な場所」とされている。逆にポケストップとしてふさわしくないのは「立ち入り禁止の場所」「安全が確保されていない危険な場所」「個人宅のようなプライバシーが保護される場所」となる。

 審査プロセスの詳細は、今後、宮城県とナイアンティックで詰めるとのことだが、宮城県では「関係する市町村や地元をよく知った方に相談しながら進めたい」と説明。ユーザーからの申請数などによって審査にかかる時間が変わるため、ゲームへいつ反映されるか、現時点では予測できないという。また、どういった場所に、どのくらいの数の新しいポケストップが生まれるかは、ゲーム性を踏まえてナイアンティック側が最終的に判断する。

4つのコース、先着各50名のバスツアー

 現地を訪れる人に向けて、ポケストップの追加の一助となるべく今回用意されるのが「復興バスツアー」だ。

 バスツアーは、「牡鹿エリアツアー」「雄勝エリアツアー」「奥松島エリアツアー」「南三陸エリアツアー」の4つが用意され、各コースとも先着50名限定となる。

コイキングの重さを競い、たまごを孵化させよう

 会場となる中瀬公園は、旧北上川に挟まれた中州にある。津波により甚大な被害を受けた場所で、周辺には、石巻と縁が深い漫画家、石ノ森章太郎のミュージアム「石ノ森萬画館」もある。

石巻市の中瀬にある石ノ森萬画館。これは2015年6月に撮影したもの。当時はまだ川に面する手すりが、津波の影響か、ひしゃげたまま。中瀬の先端にはカキ小屋があり、筆者も過去の取材時に堪能したスポットのひとつだ

 その中瀬公園にあるポケストップ全てに、会期中、ずっとルアーモジュール(ポケモンの出現率を上げるアイテム)が使用される。また、石巻市内で捕まえた「コイキング」の重さを競い合う大会や、タマゴから孵った指定のポケモンの重さを競う大会、被災地の復興を感じさせる風景とポケモンを一緒に撮影した写真のコンテストが行われる。

 会場には、宮城県沿岸部の物産、グルメのブースが出展される。イベントに参加した人を対象に、宿泊施設のペア宿泊券のプレゼントなども実施される。

出現するポケモンは……

 イベント当日、会場周辺に出現するポケモンは、普段通りの内容。イベントサイトでも「出現したポケモンに特別な変化はない」と案内している。

 8月の記者会見で、ナイアンティック日本法人の村井説人社長が、レアなポケモンが出現するのか? という質問に「ひとつのアイデア。否定するつもりはない」としていたが、11月12日のイベントでは見送られた。ただ、今後のイベントに向けて検討は進められる可能性はある。

被災地を訪れるきっかけになるか

 8月、Pokémon GOとの連携を発表した東北3県と熊本県の記者会見では、村井嘉浩宮城県知事が「来て、見て、感じて、被災地の“今”を知って欲しい」とアピールしており、そのコンセプトに沿ったイベントが、いよいよ実施されることになった。宮城県では「Explorer Miyagi」(宮城を冒険しよう)と銘打っており、「Pokémon GOが楽しみやすい環境をみんなで冒険しながら歩き回って創りあげていく。自由な発想で、宮城県の素敵な名勝を発見していく」と意気込む。

 会場となる石巻市周辺は太平洋に面し、東日本大震災で甚大な被害を受けた。2014年、2015年には、「Pokémon GO」を提供する米ナイアンティック(当時はグーグル社内の一部門)のゲームアプリで、Pokémon GOのベースとなった「Ingress」のイベントも、石巻で開催されている。

 7月のローンチ直後は、大きな話題を呼び、各地の公園で「Pokémon GO」を楽しむ人の姿があったが、その後、大きな騒動を巻き起こすこともあった。一時と比べ、その人気は徐々に落ち着きつつあるが、11月12日のイベントを通じて、どれほどの人が被災地を訪れることになるのか、注目が集まる。