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1日夕方に「首都圏震度7」と誤報、15秒でキャンセル

 8月1日17時9分ごろ、気象庁から「震度7」とする緊急地震速報の“予報”が発表され、15秒後にキャンセル報が出された。

 原因は千葉県富津市の観測点のデータに大きなノイズが記録されたため。この1カ所だけの記録に留まり、“警報”は発令されなかったが、予報に基づいて「ゆれくる」など一部のスマートフォンアプリや、Twitterの地震関連のBotアカウントで震度7が相次いで伝えられ、結果的に誤報となった。また一部の鉄道が一時運行を見合わせた。

 気象庁によれば、2カ所以上の観測点で揺れを確認した場合、緊急地震速報の警報を発令するが、今回は1カ所だけだったため、警報にはいたらなかった。富津の観測点で地震波が記録されたものの、周辺で揺れが観測されなかったため、約15.5秒後にはキャンセル報が発表された。

 富津で記録されたデータは、マグニチュード9、震度7というものだった。首都圏周辺では、繰り返し巨大地震が発生するとされており、「ゆれくる」や「ウェザーニュース」といったアプリで、地震情報を受け取った人もおり、配信直後には、Twitter上などは驚きの声にあふれた。

緊急地震速報の仕組み

 気象庁では、全国約220カ所に地震計を設置。また防災科学技術研究所による全国800カ所の高感度地震観測網を利用し、地震が発生すれば、いち早くその地震波を捉える仕組みを整えている。

 緊急地震速報には、地震発生から2~3秒後に第1報を出す予報と、5~10秒後に出す警報がある。

 2006年10月から提供されている緊急地震速報の予報は、スピーディな配信を第一優先とし、約60秒後には精度を高めた最終報が発表される。マグニチュード3.5以上、あるいは最大震度3の場合、あるいは観測された地点が1カ所だけであった場合も予報は発表される。精度よりもスピードを最優先した情報が「緊急地震速報」の予報であり、高度利用者向けのサービスとして発表されている。高度利用者とは、鉄道会社などが想定されており、いち早く地震への対策が必要な場面での利用になる。

 一方、携帯電話の速報メッセージや、テレビ、ラジオを通じて発表されるのが「緊急地震速報」の“警報だ”。これは最大震度が5弱と予想され、なおかつ地震波が2点以上で計測された場合に発表される。ちなみに震度6弱以上のさらに強い揺れが予想される場合には特別警報が発表される。今回は警報(一般向け緊急地震速報)には至らず、携帯電話などで配信されることはなかった。

 なお、気象庁によれば、過去1カ月(2016年7月)に発表した緊急地震速報(予報)は約90件。このうちキャンセル報が発表されたのは今回のものと、同じ1日の朝(7時36分)のもの、あわせて2件だった。