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アップルが「iOS 10」発表、次世代のwatchOSやtvOS、macOSも
2016年6月14日 06:16
アップルは現地時間6月13日(日本時間6月14日午前2時)、米サンフランシスコで開催中の開発者会議「WWDC16」の基調講演で、iOSとwatchOS、tvOS、macOSの各次期バージョンを発表した。
いずれも正式版は秋に配信される予定で、開発者向けのプレビュー版は即時配信が開始され、7月からは登録者向けのパブリックベータも配信される。
iOSはメッセージアプリなどが強化
iPhoneやiPad、iPod touchのプラットフォームであるiOSは、最新バージョンのiOS 10が発表された。iOS 10ではホーム画面やロック画面、通知センター、コントロールセンターのデザイン・機能・操作性が変更される。
標準の「メッセージ」アプリおよび同アプリで使うアップル独自のメッセージングサービス「iMessage」も大幅に強化され、ステッカー(スタンプ)やURLリンクのプレビューなど多数の機能が追加された。サードパーティ開発者によるアドオンアプリも利用可能になっている。
Siriも強化され、サードパーティアプリを起動したり、サードパーティアプリの一部機能を使ったりできるようになった。「写真」アプリには画像解析によって写真を分類したりスライドショー動画を作る「Memories」という機能が追加される。IoT家電の制御プラットフォーム「HomeKit」は専用のアプリ「Home」がホーム画面に追加され、HomeKit自体もいろいろな家電に対応するように強化される。iPhone独自の留守番電話サービス「ビジュアルボイスメール」は、音声メッセージが送られてくるだけでなく、テキスト化もされるようになる。
このほかにも「News」(日本未提供)や「マップ」、「ミュージック」、「Apple Pay」(日本未提供)、「Safari」、「メモ」などの標準アプリ・サービスの機能やUIデザインが強化・変更され、「マップ」と「電話」にはSiriなどと同様にサードパーティのアドオンアプリ開発が可能になっている。
なお、iOS 10の対応機種は、iPhoneはiPhone 5以降、第4世代iPad以降とiPad mini 2以降、iPod touchは第6世代以降とアナウンスされていて、iOS 9でサポートされていたiPhone 4s、iPad 2と第3世代iPad、初代iPad mini、第5世代iPod touchが対象外となっている。
Apple Watchも新機能多数。MacのiPhone連携はより強固に
Apple Watch向けのwatchOSは、最新バージョンとなるwatchOS 3が発表された。現行のwatchOS 2でもネイティブアプリをサードパーティが提供できるようになっているが、watchOS 3ではアプリをシステムメモリに保持し、すばやく起動することが可能になっている。このほか、情報更新の高速化やバックグラウンドアップデートにも対応する。
サイドボタンは従来は「友達」を表示していたが、watchOS 3ではタスク切り替え画面が表示される。サイドボタン長押しからの電源メニューには、緊急通報機能も追加される。
このほかにもメッセージの返信に「Scribble」という各言語に対応した手書き認識機能を使えるようになったり、新しい文字盤の追加、ストレス管理をサポートする深呼吸促進アプリ「Breathe」、車椅子利用者への最適化、アクティビティ結果の共有などの機能も追加される。
最新のApple TVから採用されたtvOSはさらに新しくなる。標準リモコン(Siri Remote)と同じことができるiPhone向けリモコンアプリが追加され、iPhoneで文字入力することもできるようになる。また、iPhoneにアプリをインストールすると、連携するApple TVアプリが自動インストールされるといった機能も追加される。
Mac向けのOSは新たにmacOSという名称に変更され、最新バージョンの「Sierra」が発表された。
従来からあるiOSデバイスとの連携機能(Continuity)が大幅に強化され、コピー&ペーストのクリップボードがiOSとMacで同期するようになり、たとえば近くのiPhoneでコピーしたテキストや写真をMac上のアプリにペーストできるようになった。また、近くにApple Watchがあるとスリープからの復帰時にパスワード入力を求めない自動アンロック機能も追加される。
iOSなどと同じようにSiriがmacOSからも使えるようになる。このほかにも動画のPinP表示やApple Pay(日本未提供)をWebのECサイト上で利用する機能など、iOSで先行導入されている機能やサービスのいくつかがmacOSにも導入される。
アップルの各プラットフォーム向けの開発言語「Swift」の学習アプリ「Swift Playgrounds」がiPad向けに今秋より無料で配信される。子どもが楽しみにながらプログラムを学べるようになっている。
なお、いずれの新機能・新アプリ・新サービスも、日本や日本語で提供されるかどうかは発表されていない。