【WIRELESS JAPAN 2011】
ドコモの「サイクルシェアリング」、次世代版も展示


 WIRELESS JAPAN 2011のドコモブースでは、かねてより同社が進める「サイクルシェアリング」に関する展示も行われている。

 サイクルシェアリングは、観光地や住宅地など、さまざまな場所での利用が期待される自転車の活用スタイルを指す言葉。複数のユーザーが自転車を共用するという使い方は、フランスのパリなどで導入され、ドコモでは2009年頃から国内で実験を積み重ねている。

 今回の展示会に先立ち、ドコモでは汎用型サイクルシェアリングシステムを発表。1つのターミナル装置と自転車を組み合わせるというもので、既に販売を開始している。一方、展示ブースには、次世代のサイクルシェアリングシステムも展示されていた。こちらは、自転車にGPS装置、バッテリー、通信機器を詰め込み、ターミナル装置なしでも自転車のレンタルが可能になっている。

 携帯を使って予約する形となり、手続きを終えると通信経由で自転車の鍵が外れ、乗れるようになる。自転車がどこに置いてあっても、ユーザーが見つけた段階で誰も使用していないものであれば、その場で予約して利用を開始できる。利用を終える際は、鍵を掛けて、ハンドルに備え付けられた装置の「E」ボタンを押すだけとなる。利用手順は、携帯電話宛に届くメールにも記される。

 技術的な課題は少なく、いつでも実用化できるものの、現実的な運用を行うためには、「街のどこに置いてもいい」という考え方が広まる必要がある。特に自治体では、放置自転車の課題があるため、ランダムに共用自転車を置くよりも整然とした配置が求められることが多い。現在のサイクルシェアリングは、ターミナルが設置された特定の場所へ赴く必要があるが、次世代型は「いつでもどこでも、自転車があれば利用できる」という使い勝手の実現を目指しており、実際に導入されるには、ドコモやパートナー企業による取り組みだけではなく、導入を検討する自治体や住民にも理解してもらう必要があるという。

 このほか同コーナーでは、自転車ユーザー用Androidアプリ「cosoado Cycles plus」も展示されている。

次世代のサイクルシェアリングで使う装置操作時に届くメール
ロック解除cosoado Cycles plus

 



(関口 聖)

2011/5/25 18:25