【Mobile World Congress 2016】
パナソニック、Android/Windows 10 IoT搭載「TOUGHPAD」新型を発表
(2016/2/23 16:20)
パナソニックはMobile World Congressにおいてプレスカンファレンスを開催し、タフネス端末シリーズ「TOUGHPAD」シリーズの最新モデル、「FZ-F1」と「FZ-N1」を発表した。いずれもバーコードリーダー内蔵の業務向けモデルで、個人向けには販売されない。
日本ではAndroid搭載の「FZ-N1」が2月26日より法人向けに販売される。ドコモ網版、KDDI(au)網版の2種類がラインナップされ、どちらもVoLTEを新たにサポートする。
「FZ-F1」と「FZ-N1」は4.7インチディスプレイを搭載したスマートフォン型端末、いわゆるハンディターミナル。ハードウェアはほぼ共通だが、OSが異なっており、FZ-F1がWindows 10 IoT Mobile Enterprise、FZ-N1がAndroid 5.1.1を搭載している。LTEや3Gによるデータ通信、音声通話にも対応し、ほぼスマートフォンに準じた機能も持っている。
重量は275g。パナソニックでは同様の機能を持つ「FZ-E1」と「FZ-X1」という5インチ端末もすでに販売中だが、それら(453g)に比べると大幅に軽量化されている。一方でタフネス性能では既存のFZ-E1やFZ-X1が若干強い面があるため、製品としては併売される。
防水や耐衝撃など、いわゆるタフネス性能がきわめて高く、屋外や倉庫、工場、建設現場などで現場の各種機材同様にややタフに扱われるようなことを想定している。耐衝撃性に関してはMILスペックに準拠するが、実際にはそれ以上の耐久試験を社内で行なっているという。
また、顧客からのニーズによっては追加で耐久テストを行なうこともあり、たとえば別モデルでは病院での利用のためにオキシドールによる殺菌への耐性なども確認しているという。
物流などの現場での利用が想定されているため、バーコードリーダーが内蔵されている。バーコードリーダーのためのレーザーガイドや簡単に操作するためのサイドボタンもある。同様の全面カラーディスプレイのスマートデバイスでバーコードリーダーを搭載する端末は、端末上端にディスプレイ面と水平方向にリーダーが向いているものが多いが、FZ-F1とFZ-N1は角度が付けられていて、より操作しやすくなっているのが特徴。これは他の端末にはない特徴だという。
専用のアクティブペンにも対応する。このペンは電池を内蔵し、指操作時と同じ静電容量センサに反応させるものだが、筆圧感知できたり、240Hzの高速読みだしをするなど、専用の作り込みがなされている。宅配便の配達業務での受け取りサインなどでの利用が想定されている。
各種業務ではその業務専用のアプリを用いるが、そうしたアプリがWindowsあるいはAndroidのいずれかである場合に対応するために、あるいは会社の管理上いずれかのOSである必要がある場合に対応するために、両OSのモデルが用意されている。
背面カバーは取り外しが可能で、バッテリは交換ができる。キャパシタによるバックアップ電源があるため、数十秒程度の交換中は画面が消灯するものの、電源オンの状態が維持され、いわゆるホットスワップが可能。また、背面カバーごと連続16時間稼働に対応する大型バッテリに交換することもできる(通常バッテリでは8時間)。
さらに背面カバーの下には機能拡張用のインターフェイスも搭載されていて、顧客のニーズ次第ではたとえば決済業務のためのクレジットカードリーダーを開発して追加したり、顧客自身が拡張デバイスを開発することも可能だという。充電スタンドやホルダーなどの周辺製品も、業務を想定したものが用意される。
FZ-F1とFZ-N1はいずれもコンシューマー向けには市販されず、法人向けの販路のみとなる。ただし、たとえば従来モデルでは、販売代理店がテスト導入や開発者を想定して小売りをしたこともある。Android搭載のFZ-N1の価格は1715ドル/1268ユーロ、Windows 10搭載のFZ-F1は今年後半発売予定で価格は1746ドル/1291ユーロ。