【Mobile World Congress 2016】

新生alcatel、「IDOL 4」「IDOL 4S」などを発表

パッケージをそのままVRゴーグルに

ブランドロゴを「ALCATEL ONETOUCH」から「alcatel」に変更

 「ALCATEL ONETOUCH」シリーズのスマートフォンを展開する、中国TCL Communication(以下、TCL)は、2月20日(現地時間)、Mobile World Congressに合わせたプレスカンファレンスを開催した。

 新端末として発表されたのが「IDOL 4」と「IDOL 4S」。日本でSIMフリースマートフォンとして発売された、「IDOL 3」の後継機にあたるモデルだ。TCLは、ALCATEL ONETOUCHブランドを展開していたが、これも刷新。今後は、「alcatel」の1語を使用していくことになる。

ミッドレンジモデルでTCLの代表機となる「IDOL 4」
より高いスペックを備えた「IDOL 4S」

「IDOL 3」の成功を受け、2016年はシェア5位を目指す

 イベントには、TCLのチーフ・マーケティング・オフィサー、ダン・デリー氏が登壇。昨年投入したIDOL 3は、「我々にとってのマイルストーンだった」と語った。デリー氏によると、IDOL 3は欧州や北米で期待値を超えており、韓国市場でも強い存在感を確立できたという。35%がサムスン端末から、10%がiPhoneからの買い替えだったという、同社の調査結果も披露された。

ダン・デリー氏
「IDOL 3」はTCLにとってのマイルストーンになったという
ニコラス・ジベル氏

 IDOL 3は、「グローバルスケールを追求した、ミッドティアモデル」という位置づけ。同社の掲げる、「イノベーションの民主化」というポリシーに沿ったモデルでもあることが紹介された。同社の国際ビジネス担当プレジデント、ニコラス・ジベル氏によると、IDOL 3は、「もっともアグレッシブで、意欲的な立ち上げだった」という。3カ月で50カ国への出荷を行い、同社が得意とする、欧米に加え、韓国や日本でもシェアを伸ばすことができたためだ。

IDOL 3の投入によって、同社は大きなステップアップができたという
2016年末までに、スマートデバイスで5位を目指す

 IDOL 3の成功を受け、TCLではスマートフォン、タブレットで世界5位のポジションを目指していく方針。この目標は2016年末までのものとなる。

「BOOM KEY」搭載で、VRにも対応した「IDOL 4」「IDOL 4S」

 このIDOL 3を進化させたモデルが、イベントで発表された「IDOL 4」、「IDOL 4S」となる。両モデル共通の特徴として、側面に「BOOM KEY」を搭載。これは、「経験を加速させるもの」(デリー氏)という役割のもので、利用している機能に合わせて、さまざまな追加効果が得られる。ギャラリーを開いているときに押すと、自動的にコラージュ写真を作成してくれたり、音楽再生中に押すと低音を強調したりといった形で、画面消灯時に押してクイック撮影を行うことも可能だ。

側面に搭載された「BOOM KEY」
画面が消えた状態で、撮影が行える機能も搭載
アプリに合わせて、さまざまな追加効果を得られる
リバーシブル仕様はパワーアップして引き継がれている

 IDOL 3と同様、リバーシブル仕様になっており、上下を反転させて利用できる。左右もほぼ対照になっているため、横表示で利用した際にもリバーシブルになるという。また、どちらの機種も、VR(バーチャル・リアリティ)に対応する。

VRゴーグルがパッケージになる仕様。IDOL 4Sは同梱、IDOL 4はオプションになるという

 IDOL 4Sについては、パッケージそのものがVRのゴーグルとなっている。このゴーグルは、サイズの調整もでき、オプションとしてIDOL 4用に購入できるという。OSにAndroidを採用しているため、Google Cardboardのコンテンツをそのまま利用できるほか、TCLでも独自のストアを開設。同社が集めたコンテンツを、ダウンロードすることができる。

 一方で、ベースとなるスペックは、それぞれ異なっている。IDOL 4は、チップセットにミッドレンジモデル向けの「Snapdragon 617」(1.7GHz+1.2GHzのオクタコア)を採用。ディスプレイは5.2インチのフルHDで、背面には1300万画素のカメラを搭載する。JBLの協力のもと開発された、3.6Wのステレオスピーカーを搭載しているのも、この機種の特徴となる。メタルフレームを採用しており、厚さは6.9mmに抑えられた。サイズは147×72.5×7.1mm。OSにはAndroid 6.0 Marshmallowを採用する。

 よりハイスペックなのがIDOL 4Sで、こちらはディスプレイが5.5インチのWQHD(2560×1440)。チップセットも、より高機能な「Snapdragon 652」(1.8GHz+1.4GHzのオクタコア)が搭載されている。カメラは、1600万画素で1/2.8型センサーを採用。スペックは全体的に底上げされているものの、サイズは153.9×75.4×6.99mmと厚さはほぼ同じに抑えられた。OSには、Android 6.0 Marshmallowを採用する。

IDOL 4の主な仕様
IDOL 4Sの主な仕様

2-in-1なWindows PCもサプライズ発表

 スマートフォン2機種に加えて、サプライズとして発表されたのが、2-in-1スタイルのWindows PCとなる「PLUS 10」だ。OSにはWindows 10を採用しており、キーボード部分を取り外せるデタッチャブルスタイルとなる。

2-in-1スタイルのWindows PCとなる「PLUS 10」

 おもしろいのが、その通信機能。タブレット部分はWi-Fiのみの対応となるが、キーボードにはLTEモデムを内蔵。SIMカードを挿すことができるのはキーボード側で、テザリングも行える。側面にはmicro USBやmicro HDMI端子を備えている。

 会場で操作することができた実機は、CPUがインテルの「Atom x5 Z8350」、メモリが2GB、ストレージが32GB。OSはWindows 10 Homeが採用されていた。ディスプレイは10.1インチ、解像度は1280×800。タブレット側のバッテリーは5830mAhで、キーボード側にも2589mAhの拡張バッテリーが内蔵されている。

キーボード側に、LTEを備えた珍しい端末
バッテリーはタブレット側とキーボード側それぞれに搭載

石野 純也