【Mobile World Congress 2011】
ソニー・エリクソンが「Xperiaファミリー」3機種を発表


 ソニー・エリクソンは、グローバルで展開する「Xperiaファミリー」の3機種を発表した。それぞれ「Xperia neo」「Xperia pro」「Xperia PLAY」という名称で、先にCESで披露された「Xperia arc」と並び、Android 2.3やソニーとのコラボレーションが特徴となる。

Xperia neoXperia pro
Xperia PLAY

3.7インチディスプレイ搭載のコンパクト端末「Xperia neo」

 Xperia neoは、昨年発表されたSymbian端末「Vivaz」を思わせるコンパクトなボディに、8メガピクセルのカメラを搭載した1台。「サイズ感を大事にした」(ソニー・エリクソン関係者)といい、横幅は57mmに抑えられている。背面がラウンドしており、手にもしっかりフィットする。

 Xperia arcと同様、カメラは8.1メガピクセルで「Exmor R for mobile」を採用した。暗い場所でもクッキリとした写真が撮れるのが特徴だ。動画は720pのハイビジョン画質に対応。インカメラも搭載する。ディスプレイは3.7インチ(854×480ドット)となり、「Mobile BRAVIA Engine」で画質の向上を図っている。HDMI端子を搭載しており、画面をテレビなどの対応機器に映し出すことが可能だ。DLNAアプリも内蔵し、無線LAN経由でPCやテレビと連動する。

カメラのUIはXperia arcとほぼ同様「Mobile BRAVIA Engine」を内蔵

 OSは最新のAndroid 2.3となる。ソニー・エリクソン独自のUX(ユーザー・エクスペリエンス)も実現しており、Xperia arcと同様、メディアウィジェットやTimescapeを内蔵した。ピンチインでウィジェット一覧が表示される機能や、アイコンのドラッグ&ドロップによるフォルダ作成機能も、Xperia arcと共通している。

展示端末はAndroid 2.3.1になっていたウィジェットなどもXperiaシリーズのものを踏襲

 CPUはクアルコムのSnapdragon MSM8255(1GHz)で、3Gの対応周波数「900、2100MHz」と「800、1900、2100MHz」の2種類。サイズは116×57×13mmとなる。2011年3月から出荷を開始する。「FOMAプラスエリア」と同じ800MHzには対応しているものの、日本での展開は「未定」(関係者)だという。なお、展示されていた端末は日本語フォントが内蔵されており、「POBox Touch」も利用できた。カラーバリエーションはBlue Gradient、Red、Silverの3色。

QWERTYキーボード搭載の「Xperia pro」

 Xperia proは、横スライド式のQWERTYキーボードを搭載しており、「Eメールやチャット向けのXperia」(関係者)という位置づけの端末となる。ディスプレイはXperia neoと同様3.7インチで、854×480のフルワイドVGA。「Mobile BRAVIA Engine」による画質補正にも対応する。カメラは8.1メガピクセルでセンサーに「Exmor R for mobile」を採用する。

 このように、基本的なスペックはほぼXperia neoと同じだが、キーボード利用を想定した横画面向きのインターフェイスや機能が採用されている。例えば、メールアプリは横の状態では左右2つに画面が分割され、インボックスとメール本文を同時に表示可能。メール閲覧中にキーボードをスライドさせると、自動的に返信ができるといったギミックも取り入れられている。また、プリインストールされた「Type and Send」では、メモを書いてからメールや別のアプリにその文字を受け渡すことが可能と、キーボードの特徴を活かした端末に仕上がっている。

横画面用のUIを装備テキストを打ってから利用先を選べる「Type and Send」

 CPUはクアルコムのSnapdragon MSM8255(1GHz)で、3Gの対応周波数「900、2100MHz」と「800、1900、2100MHz」の2種類。サイズは120×57×13.5mmとなる。Xperia neoと同様、「FOMAプラスエリア」の800MHzにも対応しているが、「日本での展開は未定」(関係者)だという。こちらも、展示端末では日本語フォントや「POBox Touch」を利用できた。カラーはBlack、Silver、Redの3色。発売は2011年の第2四半期を予定する。

日本語フォント、入力にも対応していた

「PlayStation Suite」対応の第一弾「Xperia Play」

 Xperia PLAYは、日本でソニー・コンピュータエンタテインメントが発表したAndroid向けプレイステーションプラットフォームの「PlayStation Suite」に対応する第一弾モデル。プレイステーションに近いキー配列のスライド式のゲーム用パッドを搭載しており、一部は通常の操作にも利用可能だ。OSはAndroid 2.3で、ソニー・エリクソンのUIや、メディアプレイヤー、Timescapeなどは、他のXperiaシリーズと共通している。

 ゲームをダウンロードするための「PlayStation Store」はまだオープンしていないが、ソニー・コンピュータエンタテインメント、エレクトロニック・アーツやゲームロフトなどのサードパーティが開発したゲームをプリインストールしている。ソニー・エリクソンの関係者によると「納入するオペレーターにもよるが、一般的に言うと6~7個ぐらいを内蔵する予定」だという。今後、PlayStation Storeとは別に、「サードパーティーの開発したゲームを約50本ほどをAndroidマーケットからダウンロードできるようにする」(関係者)そうだ。ただし、ゲームの中にはキーパッドを使用しないものもある。展示されていた実機の中では「テトリス」が縦画面専用で、タッチパネルで操作するスタイルを採用していた。

サードパーティ製のゲームをプリインストールしている
PlayStationのゲームを管理する「PlayStation Pocket」

 カメラは5.1メガピクセルで、ディスプレイは4インチ。サイズは119×62×16mmとなる。

カメラのUIはAndroid標準のもので、他のXperiaとは異なる

 なお、Xperia PLAYにはW-CDMA版とCDMA2000版の2種類がある。前者のW-CDMAは「800、850、1900、2100MHz」と「900、2100MHz」の2バージョン。CDMA2000版の周波数は明かされていないが、同日行われた記者会見で、アメリカのVerizonが取り扱うことが発表された。日本での展開は他のXperiaシリーズと同様「未定」(関係者)だという。発売は2011年3月を予定する。

 Xperia PLAYには、別売りのドックも用意さており、端末をセットすると専用のアプリケーションが自動的に起動する。このアプリから、時計や写真などを呼び出すことが可能だ。ドックにはイヤホン端子も接続する形となり、背部に外部スピーカーをつなげることができる。

ドックも本体に合わせて2色展開装着すると専用のアプリが起動する仕組み

【お詫びと訂正】
初出時、搭載CPUを「MSM8225」と記しておりましたが、正しくは「MSM8255」です。お詫びして訂正いたします。



(石野 純也)

2011/2/14 11:38