【mobidec 2011】
ミクシィ辻氏、スマホ向け戦略やTown構想を解説


ミクシィ 執行役員 メディアビジネス本部長の辻正隆氏

 「mobidec 2011」の基調講演では、ミクシィ 執行役員 メディアビジネス本部長の辻正隆氏が登壇し、「進化する『mixi』の近況と今後の方向性について」と題した講演が行われた。

 辻氏からはまず「mixi」の近況として、20代男女の75%が登録し、毎月1500万人がログインし、1日あたり約1000万人が利用するというユーザー属性などのほか、デバイス別として、スマートフォンからのアクセスがパソコンとならぶ規模にまで成長している様子が示された。また、iPad向けアプリ「mixi」を無料で提供するなど、タブレット端末向けの展開も紹介された。

 今後の展開については、従来の「mixi」のサービスを利用する「Homeエリア」に加えて、mixiの外のWebサイトなどの情報を活用する「Townエリア」を充実させていく方針。また、企業や個人が開設できる「mixiページ」は開設数が15万ページを超え、利用状況も順調に推移しているとした。「mixiページ」はフィーチャーフォン、スマートフォン、パソコンに対応するページを一元的に制作・提供できるほか、モバイル端末からもページの作成ができるようになっている。また、検索エンジンからの誘導やアクセス解析なども提供される。

 その「mixiページ」の利用動向については、個人の開設が65%と「当初の見込み通りになっている」と、誰もが使えるプラットフォームとして紹介。一方、企業などの大手ブランドのページは90ブランドに上っているとのことで、Facebookの240ブランドと比較してまだ数は少ないとするものの、開始2カ月で大きく進展している様子を示した。

 「mixiページ」ではまた、ページに参加しているユーザー数をバナーに表示させる広告商品を提供しており、テスト時ではCTRが通常バナーの1.5~3倍を記録するなど、効果の高いものになっているとした。個人のページオーナーが100円から出稿できる簡単なバナー広告も用意されている。今後は、プロモーションの実施、UIやSEOの最適化を実施するほか、「mixiチェックイン」との連動や、ページ上で物販が行える課金システムの提供するといった方針が紹介された。

 ゲームについては、これまで「mixiアプリ」として提供してきた中からゲームだけを独立させ「mixiゲーム」として提供している。辻氏は「売上、ユーザー数も順調に伸びている。17歳以下にも、バランスをみながら開放していきたい」と幅広く提供していく姿勢をみせた。また、「mixi年賀状」といったイベント的なサービスは、ソーシャルコマースの本格化を占うものとして位置づけており、課金システムと連携させて拡大を見込んでいる。

 mixiのUIでも強化される「Townエリア」、Town構想については、「ソーシャル化されたポータル。内輪で盛り上がるものとは別に、ユーザー全体で盛りがれるようなエリア」と説明する。「いままで育ててきたmixiを活かして、mixiの外にも出て、新たなmixiを作る構想」とし、「mixiだけでなく、FacebookやTwitterの情報も使える。競合かどうかという意見もあるが、うまく活かして新しいソーシャルポータルを目指す」と、既存の他社サービスとの連携も積極的に行なっていく方針を明らかにした。


 




(太田 亮三)

2011/11/25 16:35