【IFA2017】
サムスン、「Gear Sport」などスポーツ用ウェアラブルを発表
2017年8月31日 11:39
サムスン電子は、独ベルリンで開催されるIFAに先立ち、プレスカンファレンスを開催。テレビ、ディスプレイ、洗濯機、冷蔵庫、掃除機など、同社が持つ幅広い家電ラインナップの新製品を披露すると同時に、モバイル関連ではスマートウォッチの最新モデル「Gear Sport」や、フィットネスバンドの「Gear Fit2 Pro」、ワイヤレスイヤホンの「Gear IconX 2018」を発表した。
相互接続のOCFへ対応
幅広い製品群を持つサムスン電子だが、スマートフォンの最新モデルは、8月23日(現地時間)に、米ニューヨークで「Galaxy Note8」を発表したばかり。IFAのプレスカンファレンスでは、このフラッグシップモデルを欧州に向けてお披露目するとともに、同イベントで予告されていたスマートウォッチなどの関連製品を発表することになった。
製品ジャンルは多岐に渡るが、IoTとして、これら(の一部)が相互に接続できることを強調。同社はIoT関連機器の相互運用を推進する業界団体「Open Connectivity Foundation(OCF)」のダイヤモンドメンバーで、標準化に取り組んでいることもアピールした。プレスカンファレンスに登壇したOCFのプレジデント、マシュー・ペリー氏によると、「2020年までに、すべてのサムスン製品がこのプラットフォームに対応する予定」だという。
また、例年、IFAではスマートウォッチのGear Sシリーズが発表されていた。もともとIFAは、サムスンにとってGalaxy Noteシリーズを発表する場にもなっていたが、この大画面モデルと合わせて使う想定で、Gearシリーズも同時に披露していた。本体サイズが大きくなっても、カバンなどから取り出さずにメールを読んだり、通話をしたりできるというのが、サムスンの考えるユースケースだった。
OSは異なるが、Gear Sシリーズの原点ともいえる「GALAXY Gear」は、「GALAXY Note 3」と合わせて発表。2016年のIFAでは、「frontier」と「classic」、2機種の「Gear S3」が初公開されていた。前者はよりアウトドアを意識したデザインに、後者は伝統的な時計を意識したデザインに仕上げたのが特徴だった。
フィットネス用に舵を切った「Gear Sport」「Gear Fit2 Pro」「Gear IconX 2018」
こうしたコンセプトから一転、新たに発表された「Gear Sport」は、その名のとおり、“スポーツ”用を明確に打ち出した製品になった。本体部分は「Gear S3」に近く、回転式のベゼルを搭載。1.2インチの円形ディスプレイを搭載しており、OSにはTizenを採用する。4GBのストレージ(ROM)や独立型のGPSを備え、ランニングの記録を取ったり、フィットネスをしながら音楽を楽しんだりといった活用の仕方が可能だ。
防水仕様は5ATM(5気圧防水)で、IP68だった「Gear S3 frontier」よりも強化。スイムウェアブランドのSpeedo(スピード)と協業し、スイミング用のアプリを搭載するなど、より本格的なスポーツにも利用できるというのが同モデルのコンセプトだ。NFCも搭載しており、「Samsung Pay」での決済にも対応。スマートフォンとは、Bluetoothで接続し、Wi-Fiも搭載する。バッテリー容量は300mAh。サムスンによると、バンドの幅は20mmで、一般的な時計のバンドに交換することも可能だという。
Gear Fit2 Proは、曲面ディスプレイを搭載したフィットネスバンド。ディスプレイサイズは1.5インチで、Gear Sportと同様、OSにはサムスンが中心となって開発するTizenが搭載される。4GBのストレージやGPSを搭載するという点も、Gear Sportと同じだ。防水仕様は5ATM。ブラックとレッドと、2種類のカラーを用意する。
これらに加えて、ケーブルレスのBluetoothイヤホンの「Gear IconX 2018」が登場した。日本では、KDDIから発売された「Galaxy S7 edge Olympic Edition」の付属品として「Gear IconX」が同梱されていたが、その後継機という位置づけの製品だ。カラーはブラック、ピンク、グレーの3色。本体に4GBのストレージを搭載し、スマートフォンと接続せずに音楽の再生が可能だ。タッチセンサーを備えており、タップで再生・停止などの操作を行える。
「Galaxy S8」や「Galaxy S8+」から搭載したBixbyによる音声コントロールに対応しており、音楽の操作や電話の発信などを、声だけで行えるのも特徴となる。