【CES 2017】
カシオ、Android Wear 2.0のタフネススマートウォッチ「WSD-F20」発表
2017年1月5日 11:16
ラスベガスで開催中のCES 2017でのプレスカンファレンスにおいて、カシオ・アメリカは、Android Wear搭載のウェアラブルデバイス「WSD-F20」を発表した。4月21日に約500ドル(約5万8000円)で発売される予定。なお、日本での展開については発表されていない。
「WSD-F20」は、1年前に発表されたAndroid Wearデバイス「WSD-F10」の後継モデル。アウトドアユースをターゲットとした基本コンセプトを踏襲しつつ、新機能としてGPSを搭載、オフラインでマップを表示できるようになった。一方で、「WSD-F10」と異なり、カシオのアウトドア向け腕時計ブランド「PRO TREK」を冠した「PRO TREK Smart」シリーズとして展開する。
OSには、Android Wear 2.0を採用する。Android Wear 2.0採用製品の発表は「WSD-F20」が初めてだが、現時点では「Android Wear 2.0」の正式版はまだリリースされておらず、Android Wear 2.0をベースにした機能の詳細は公表されていない。
デザイン
デザイン面ではベゼル部やボタンガード部などに変更が施されているが、基本的な構造はほぼ同等で、ユーザーによるベルト交換はできない。側面にある専用デザインの充電端子はWSD-F10と共通のものとなっている。カラーバリエーションはオレンジとブラックの2色。
50m防水、MILスペックをサポート
プロセッサなどの詳細スペックはWSD-F10同様、公表されないが、GPSが加わった以外の基本性能/仕様はほぼ同等で、50mの防水やMIL-STD-810(MILスペック)に準拠した耐久性をサポート。1.32インチのディスプレイはカラー液晶とモノクロ液晶を2枚重ねた独自の構造だ。カラー液晶は320×300ドットで、モノクロ液晶は腕時計のようなセグメント式。Android Wearデバイスとしては珍しい、複数のサイドボタンを引き続き搭載している。
モノクロ液晶は反射型となるため、少しでも明るい場所ならばバック/サイドライトなしでも視認でき、周囲が明るいほど見やすく、消費電力もきわめて少ないという特徴を持つ。モノクロ液晶時は簡単な時刻表示のみとなるが、通知が来たときはすぐにカラー液晶に切り替えられる。
みちびき、GLONASS対応
防水仕様ながら気圧センサーとマイクを内蔵している。このほかにも9軸センサーも搭載。位置情報はGPSだけでなく、ロシアのGLONASSや日本の準天頂衛星みちびきの信号も利用できる。通信を使うA-GPSにも対応し、素早い測位も可能。また、スマートフォンが同期し、通信可能な状態では、スマートフォン側のGPSも利用する。
内蔵GPSを使った新しいアプリとしては、オフラインでもカラーの地図を表示できる機能が追加されている。この地図はMapboxによるもので、全世界の地図に対応している。
独自アプリ「Location Memory」
さらに自分の位置に対してメモを残せる「Location Memory」という独自アプリも搭載する。内蔵マイクの音声認識によって、WSD-F20だけでメモを残すこともできる。位置情報をベースとしたコミュニケーションアプリ「MOMENT LINK」も提供される。
特定のアクティビティ専用アプリとしては、WSD-F10でも搭載しているトレッキング、サイクリング、フィッシングに加え、新たにPaddle(カヤック)、Snowも搭載する。
すべての機能を利用するにはAndroidスマートフォンとの連携が必要だが、通知などの一部機能はiOSデバイスでも利用できる。
ケース本体のサイズは61.7×56.4×15.7mmで重さは92g。
なお、現行モデルのWSD-F10は在庫限りではあるが併売される予定とのこと。また、「WSD-F10」に対しても、今春にはAndroid Wear 2.0のアップデートが提供される予定。ちなみにWSD-F10は昨年末より値下げされているので(国内では約4万円)、GPSが不要であれば、安価にタフネスAndroid Wear 2.0デバイスを入手するのにうってつけなモデルとなっている。