【2013 INTERNATIONAL CES】

スマホ連携の健康・エクササイズツール展示

健康・エクササイズ系の展示が集められたエリア
血圧計の「Blood Pressure Monitor」。アメリカではApple Storeでも売っている

 CESでは、特定のジャンルの展示ブースがひとつのエリアに集められていることがある。健康・エクササイズ系の製品もそうしたジャンルのひとつだ。

 市場の健康志向を反映してか、多数の健康・エクササイズ系の製品が展示されている。歩数計(活動量計)や心拍計といったデバイスは、体に装着するため、それ単体で操作・データ管理を行なうのが難しく、スマートフォンとBluetoothなどで接続し、スマートフォン側で操作・データ管理を行なう製品が増えている。

 Withingsは、iPhoneと連動できる体重計や血圧計、活動量計を展示していた。これらは、測定した結果をiPhoneに転送し、iPhone上でこれまでの体重や血圧の推移を確認するできるという製品だ。

 血圧計は、iPhoneからコントロールするため、単独では利用できない。Dockコネクタ接続に対応し、担当者はiPhone 5をアダプタを介して接続して利用していた。同社の体重計については、日本でも代理店経由で販売されているが、血圧計は、日本の医療機器の認証に通っていないため販売されていないという。

血圧計の利用例。血圧計側に単四電池が4本入っていて、その電力で血圧を測定する
Withingsのアプリ。同社の体重計などとも同じアプリで連携する
血圧計の測定結果。データを医者に転送することもできる
Withingsの活動量計「Smart Activity Tracker」。こちらは未発売
Fitbitの各製品

 Fitbitは、スマートフォンと連携可能な体重計や複数種類の活動量計を展示していた。

 活動量計のうち、クリップ型「One」と腕時計型「Flex」は、歩数計だけでなく、睡眠モニターなどとしても使える。Bluetooth 4.0でiPhoneと接続し、各種コントロールやログの記録などが行える。

 Androidについては、Bluetooth 4.0に対応するGALAXYシリーズの一部に対応する予定。Flexのみ今春発売予定で、そのほかのデバイスは発売中。日本でも販売される予定とのこと。米国での価格は、もっとも安いタグ型のZipが60ドル(約5300円)、OneとFlexは100ドル(約9000円)となっている。

今春発売予定のFlex。ダブルタップして操作する
Fitbitのアプリ画面

 Fitbugは、活動量計「Orb」を展示している。ジョギングやウォーキングといったエクササイズの運動量を計測できるほか、睡眠時のログ記録も行える。5月以降に米国と英国で発売予定で、価格は25ドル(約2200円)。50ドル(約4500円)で1年のオンライントレーニングコーチサービス付きの商品も提供される。Bluetooth 4.0でiPhoneと連携し、Androidの連携アプリは開発中とのこと。

Orb。付属のバンドで腕に固定することもできる
Orbの実演デモの様子。健康・フィットネスのエリアでは至る所でこのようなデモが行なわれている
Spree本体。非常に小さい

 Spree Sportsは、頭に装着する活動量計「Spree」を展示していた。額の部分にセンサーが密着するように装着することで、活動量、心拍数、体温を計測し、エクササイズの効果を知ることができるようになっている。現在はiPhoneのみ対応しているが、Androidもサポート予定とのこと。ネットで資金を募るクラウドファンディング型で出資者と購入者を募集している。

Spreeは専用のヘッドバンドに入れて頭に装着する
Spreeの内側。センサが搭載されている
Spreeの専用バンド
Spreeのアプリ

 AfterShokzは、骨伝導ヘッドフォンを展示している。ヘッドバンド型のヘッドフォンで、耳の穴ではなく、こめかみあたりに振動装置を当てることで、耳を塞ぐことなく音を聴くことができる。有線接続版とBluetooth接続版の2種類が用意されていて、いずれもマイクを内蔵する。スマートフォンと接続しているときは、通話をすることも可能。日本でも販売されているという。

有線型のAfterShokz
Bluetooth型のAfterShokz
iriver ONの本体部分。ペンダント型Bluetoothヘッドホンになっている

 Valencellは、同社のイヤーピース内蔵型心拍センサを採用したiriverの製品「iriver ON」を展示していた。これはステレオヘッドホンの片耳のイヤーピース部分に心拍センサを内蔵した製品で、スマートフォンと連動し、心拍数や活動量を記録することができる。iriver ONはBluetoothヘッドセットとしても機能し、通話も可能。iOSとAndroidの両方に対応し、3月に全世界で発売される予定。

イヤーピース部分に心拍センサが搭載されている
本体側面。マイクが内蔵されている

 Physi-Cal Enterprisesは、腕時計型の心拍センサ「Mio Alpha」を展示していた。これは腕時計型デバイスの腕にあたる部分に心拍センサを内蔵しているデバイスで、Bluetooth 4.0でスマートフォンと連動する機能がある。専用アプリが用意されているのではなく、他社のアプリと連動できるようになっていて、アプリさえ使えれば、Bluetooth 4.0に対応するすべてのスマートフォンで使えるという。

Mio Alpha
Mio Alpha対応のアプリ
Kickr Power Trainer本体。自転車は自分で用意する必要がある

 Wahooは、ジョギングやサイクリング用の活動計に加え、自転車の後輪の代わりに取り付けるトレーナー機器「Wahoo Kickr Power Trainer」を展示していた。

 これはiPhone/iPadとBluetooth 4.0で接続し、ペダルの負荷をリアルタイムにコントロールできるというデバイス。ただ負荷をコントロールするだけでなく、iPhone/iPad側でサイクリングコースを表示させるアプリと連携させれば、コース走行を疑似的に体験するといった使い方もできる。2ヶ月程度で発売する予定。Bluetooth 4.0を使っていることもあり、iOS機器やMacBookとの接続のみが想定されているとのこと。

Kicke Power Trainerの利用シーン
Wahooはこのほかにもさまざまな製品を展示していた

白根 雅彦