【CEATEC JAPAN 2009】
KDDI、動画転送でTransferJetをデモ


TransferJetの概要

 KDDIのブースでは、近接無線転送技術「TransferJet」のコーナーが用意され、実際の利用シーンをイメージしたデモが行われている。

 「TransferJet」はコンソーシアムで仕様策定が進められており、携帯電話メーカーだけでなく、家電メーカーなどとも連携しながら商用化が検討されている高速な近接無線転送技術。最大で560Mbpsの転送速度を実現し、FeliCaのようなかざすだけの手軽なインターフェースを採用しており、動画など大容量のファイルを転送できるのが特徴。

 会場のデモは、より実際の利用シーンをイメージさせる内容となっており、映画の広告に携帯をかざすと動画のプロモーション映像を入手できるという内容。かざしてみると、受信の開始までに数秒かかっていたが、これは試作機の仕様で、将来的には短縮される予定とのこと。実際のデータの転送は1秒程度(1.2MBの動画)で済んでいる。特別なアプリを起動させる必要はなく、FeliCaと同様に携帯電話をリーダーライターにかざすだけで利用できる。

 家電メーカーがコンソーシアムに参画していることで、レコーダー機器から動画を携帯電話に気軽に転送するといった使い方もこれまでに提案されているが、会場のデモコーナーでは広告での活用など、手軽で大容量というメリットを、携帯電話ならではの利用シーンで紹介している。

 デモ用端末はソニー・エリクソン製の「S001」をベースにしたもので、電池パック部分がやや膨らんだ試作機となっている。チップが小型化されることで、将来的には携帯電話に内蔵できるよう開発が進められている。利用する周波数帯が異なることから、内蔵するアンテナはFeliCaなどと共通ではなく、専用のものが必要になる見込み。

広告に埋め込まれたリーダーライターにTransferJet対応ケータイをかざしたところ転送中の様子。1.2MBのプロモーション動画なら転送は一瞬で終了する
受信したプロモーション動画を再生

 



(太田 亮三)

2009/10/6/ 18:49