携帯から社内メールの添付ファイルを表示「Keitai Remote」


社内メールにアクセス
添付ファイルを表示

 富士フイルムは、会社のパソコンに届くメールの添付ファイルを携帯電話から閲覧できる法人向けソリューション「Keitai Remote メールアクセス NS/ES」を発表した。

 「Keitai Remote メールアクセス」は、携帯電話を使って、会社のメールアドレス宛に届いたメール添付ファイルが閲覧できる法人向けサービス。企業内のMicrosoft ExchangeサーバーやLotus Notes/Dominoサーバーの情報を、富士フイルムの変換サーバー「Keitai Remote」を経由して携帯電話で閲覧するもの。なお、「NS」はLotus Notes/Domino版、「ES」がMicrosoft Exchange版となる。

 サーバー内の添付ファイル(Microsoft OfficeやPDFなど)は、「Keitai Remote」で画像に変換され、それを携帯電話にセットした専用アプリ「ドキュメントビューア」を介して閲覧する。画像データとなるため、印刷出力と同じレイアウトでデータが確認可能で、拡大表示をしてもExcelファイルのグラフなどが崩れてしまう心配はない。

 また、スピーディーに表示可能で、端末に内蔵されているドキュメントビューアーよりも高速に閲覧できるとしている。例えば、1MBのPDFファイルをダウンロードし、内蔵ドキュメントビューアーで表示されるのに約100秒かかるところ、「Keitai Remote メールアクセス」では、1/10程度の所要時間で表示されるという。

 富士フイルムでは、携帯電話向けの画像処理エンジンを長く手がけており、こうした従来のノウハウを活用し、個々の携帯電話に最適化された軽いデータサイズに変換して表示している。また、変換された画像は携帯電話で広く対応しているJPEG形式となるため、表示が速いという。

 表示したデータは、画像の拡大/縮小、複数ページの場合はページ送り/ページ戻し、サムネイル表示などに対応する。画像は閲覧部分のみ高精細に表示され、画面を方向キーで移動したり、拡大したりすると一旦不鮮明になり、すぐに拡大したサイズに最適化された鮮明な文書が表示される。

 なお、画像化されたデータは携帯電話に保存されない。添付メールを表示する場合も、パスワードと端末の固有IDで識別するため、パスワードだけでは閲覧できない。アプリはiアプリ、EZアプリ(BREW)、S!アプリに対応する。

 さらに、プリント連携機能が用意されており、富士ゼロックスのネットプリントサービスが利用できる。印刷したい添付ファイルを携帯電話からネット予約し、セブン-イレブンにあるマルチコピー機で印刷可能。添付ファイルのデータを直接印刷できるため、会社内で印刷するのと変わらない品質でプリントできるという。

 販売形態は、ユーザーライセンス方式となり、導入費用の目安は、初期費用が200万円~、100ライセンス契約で1ライセンスあたり1000円弱。富士フイルムでは、個人情報や機密情報の漏洩リスクを低減するため、社外へのパソコンの持ち出しが制限される傾向にある一方で、外勤スタッフの社内イントラネットへのアクセスには需要があり、モバイルを活用したソリューションへのニーズが高まっているという。2010年中に100社程度の採用を目標に展開する。

拡大小さな文字も大きく拡大可能

横画面にも設定できる

 

(津田 啓夢)

2009/12/4 06:00