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どこから手をつけていいかわからないIoT開発にアジャイルを、KDDIが新サービス

 KDDIは、IoTサービスの開発を目指す企業を支援する新サービス「IoT クラウド Creator」を発表した。2016年12月以降より提供する。IoTに特化した開発基盤やサポートチームが用意され、導入企業は小さな規模でスタートし、サービス内容の改善もスピーディに行える。

アジャイルと基盤を用意、スモール&スピーディに

 「IoT クラウド Creator」は、企業のIoTビジネスにおけるシステムやアプリの開発、運用、改善をKDDIの開発チームがサポートするサービス。特徴のひとつとして、アイデアの発見からはじまり、デザインや開発、その評価、改善を回転させて、改善を重ねていくアジャイル手法を用いる。

 1回のサイクルは約2週間程度とされ、少なければ2回程度、標準的な事例で4回程度のサイクルで開発が完了する。短期で終了すれば、費用は数百万円程度で済むという。いったん開発を完了とした上であっても、さらに機能の追加も簡単に行える。

 もうひとつの特徴が開発基盤。あらかじめ用意されたテンプレートのようなもので、ゲートウェイ、アプリ開発、データ基盤、管理コンソールが含まれる。ユーザーとなる企業にとってはゼロから作り上げる必要がなく、効率的に開発できる。

まず形にすることから

 これまでも「IoT クラウド Standard」としてIoTサービスの構築基盤を提供してきたKDDI。しかし同社執行役員で、ビジネスIoT推進本部長の森敬一氏は、顧客対象の企業へヒアリングをしてみたところ「どこから手を付けるべきかわからない」といった回答が4割もあったことを明らかにする。

KDDIの森氏

 IoTで実現したいアイデアはあっても、どう実現していいかわからない。実際にアイデアを、素早く、スモールスタートでまず形にすることが重要な一歩になる――そう考えたKDDIでは、少人数のチームでユーザー企業の要望を聞き取り、開発基盤をもとにすぐ形にできる「IoTクラウドCreator」を提供することになった。

 具体的には、自動車、工作機械・建機、家電、エネルギーといった業種での採用を見込む。たとえば自動車で得られる各種情報をもとにした、運輸業での情報配信サービスを開発したい、バス事業者が新サービスを展開して売上拡大に繋げたいといった事例で、アイデアや普段の業務についてヒアリングして、構築しながらトライアルしたり、ブラッシュアップしたりしていく方針。

 26日の発表に先駆け、19日にはソラコムとともに法人向けIoT通信サービスを発表。KDDIでは、通信サービスに加えて、開発・運用面でのサービスを手厚くし、利用の拡大をはかる。