本日の一品
ブローバの名作腕時計「アストロノーツ」が50年の時を経て復刻した
(2015/11/2 06:00)
腕時計に多少興味のある読者貴兄なら米国の腕時計ブランド「Bulova」(ブローバ)の名前はお聞きになったことがあるだろう。1960年代、政治・文化・経済の全ての面でアメリカが最強だった時代の米国時計メーカーだ。
クォーツ技術が登場する以前に同社が開発した「音叉時計技術」で、それまでの機械式腕時計とは比較にならない高精度の腕時計を生み出した企業だ。筆者はもう30年以上、個人的にこの技術を採用した「ブローバ・アキュトロン・スペースビュー」という腕時計の熱烈なファンだ。
スペースビューは、文字盤が無いか、あるいは中心部が大きく円形にカットされ、腕時計の内部が風防を通して透けて見える極めて斬新な構造を採用した腕時計だった。本来なら文字盤の下に隠れてしまうべき、音叉時計のLSI素子やケーブル配線、そして時刻のペースメーカーである「音叉」の構造そのものまでが透けて見えてしまう強烈な個性の腕時計だ。
そんなスペースビューと同時代に、同じテクノロジーを採用したよりドレッシーな腕時計「アストロノート」があった。当時は米ソの宇宙探索ロケットの開発戦争のまっただ中の時代、腕時計のネーミングまでもそれらを意識、象徴しているようで面白い。
そんなヒストリックなアストロノート腕時計が50年近く経った現代に復刻した。復刻モデルは「ブローバ・アキュトロンII・ムーンビュー」(Bulova Accutron II Moonview)と名付けられた。
残念ながら、搭載されているテクノロジーは「音叉時計技術」ではなく「クォーツ技術」だが、我々がよく知る秒を刻むような「カチカチ」という見慣れたクォーツ秒針の動きではなく、かつての音叉時計のように、文字盤上を滑るように動く「スィープ運針」のエレガントな秒針の動きを見ることができる。
筆者が購入したのは、海外製品には多いが国内では希少な金と銀のコンビネーションカラー。1960年代のゴージャスな時代を象徴する「マーキス・ブレスレット」を採用したムーンビューだ。
ブレスレットは金と銀の小さな六角形を組み合わせたように見える。そしてフレキシビリティがきわめて高く、装着性能が素晴らしいモデルだ。それに加え、バタフライ構造のロック機構の採用で、腕への装着、脱着も容易だ。
なにより、装着時の接続部分にもバックルが見えることなく格好がよい。腕時計の底面は中華鍋の底のような柔らかいカーブを描き、皮膚との接着面積も小さく限定され、装着感も自然だ。
金銀のコンビネーションモデルのほか、ローズゴールドの本体と黒文字盤のモデル、シルバーの本体に黒文字盤のモデル、シルバーの本体にメッシュベルトモデル、革ベルトモデルなど、多くの組み合わせが提供されているので、選択に迷うことになるかもしれないが、それも楽しみな復刻モデルの雄だ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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Bulova Accutron II Moonview | ブローバ | 6万8040円 |