本日の一品

対応機種激増中、スマホでリモコンできるエアコン

 数年前、エアコンの遠隔操作ができるかどうかで関係役所と家電メーカーで一悶着あったことを覚えているだろうか。いろいろな事情はあるにせよ、安全面で懸念がある以上、慎重に対処すべき問題だと思うとともに、そんなことができるのは高級エアコンに限ることだろうと思い込み、全く興味を持っていなかった。

 しかし、そんな騒動が忘れられた今、エアコンをスマホ、つまりネット経由で操作できるエアコンが急激に拡大していることに気がついた。それも高級機に限ったことではなくダイキンでは2013年モデルから、シャープは2014年モデルから最廉価機種まで全対応。他のメーカーも上位機種を中心に対応が進んでいる。

エアコンに装着した無線LANアダプター。これで遠隔操作が可能になる

 昨年の夏、我が家にリフォーム業者経由で設置したダイキンの最廉価グレードのエアコンも対象ということがわかり、すぐに必要な無線LANアダプターをポチった。

 取り付けは本来は設置時に施工するものなので一部カバーの取り外しが伴うが、難易度はPCの自作程度。ダイキンの最廉価機種の場合は、さらにもうひとつのユニットが必要となるが、どちらも内部のコネクターを接続して完了だ。

無線LANアダプターの箱は茶箱。基本的にはパーツ扱いで設置は工事屋さんの担当となる
無線LANアダプターと、機種によっては必要となるインターフェース

 無線LANアダプターは基本的に外側に設置する。動作状態の確認や一部操作が必要なので、見えるところに設置が推奨されているが、見えない場所に設置してもなんとかなる仕組みになっている。設定はAndroidかiOSのスマートフォンやタブレットに、無料の専用アプリ「Daikin Smart APP」をダウンロードし、すでにある無線LANへの接続設定などを行う。WPSも対応しているので対応アクセスポイントならアプリなしでも設定可能。あとはスマートフォンやタブレットを同じLANに接続していれば認識し、エアコンのオン/オフと温度調整等が可能になる。

専用アプリ「Daikin Smart APP」
アプリを起動するとエアコンを認識するので設定を行う
設定完了後、動作中のエアコンは緑色で表示される
操作画面。外部からインターネットを介して操作中はそのように表示が出る

 ここでエアコンの操作に関するパスワードを設定すると、外部からも操作が可能になる。ダイキンのサーバーを経由しているようで、操作には最大1分のタイムラグがあるが、外部からエアコンのオン/オフと、自宅エアコンの室温・外気温が外部からも確認できる。ちなみに、外部操作のためのパスワードを設定すればIDは自動で設定され、会員登録といった面倒な登録作業も一切ない。外部操作しなければそういった設定さえ不要だ。家族の別のスマホにアプリをインストールさえすれば、別の端末からもすぐに使える。

 アプリを使ったリモコンに対応する操作はエアコンのグレードによって異なるため、最廉価機種では簡単なことしかできない。それでもかなり便利になったというのが少し使っての感想だ。外出先からエアコン操作が必要な事態にはなっていないが、エアコンのオフの確認は何度かしている。また、家にいるときは違う部屋にいても操作ができるため、消し忘れがなくなった。

 実際、便利なのは遠隔というよりもスマホをごろ寝しながら操作しているとき、エアコンのリモコンを探さずにごろ寝のままエアコンをオンできること。これから暑くなる時期、怠け者には最高の快適ソリューションなのではないだろうか。

 なお、肝心の価格だが、数量の出ないオプションパーツなだけに無線LANアダプターが高い。家電量販店価格で1万3000円程度。ダイキンだけでなく他社のエアコンもアダプターが1万円以上している。我が家のエアコンの場合はダイキンの最廉価機種だったこともあり、さらにユニットがもうひとつ。これが5000円程度したため合計で2万円近くの出費をしたことになる。

 エアコン単体の価格は安い店で4万円台なので、このオプションの価格は……明らかに割高だが、新しいモノを得たということと、この夏が快適に過ごせるという期待を込めて納得している。

商品名発売元購入価格
無線LANアダプターダイキン1万3160円

江須田