本日の一品
「nano iDSD」でハイレゾデビュー
(2014/2/12 06:00)
圧倒的に高い情報量で、CD音質を超えるサウンドを実現することから、人気が高まってきている“ハイレゾ”。家電量販店に行くと、ハイレゾに準じた高音質をうたう数々の音響機器を試聴できるようになっていたりもする。ハイレゾのための音響機器は高価なものが多いとはいえ、実は既存のハードウェアを組み合わせれば意外と安価で始められるものだ。
ハイレゾの前にいいヘッドホンを……みたいな話もあるけれど、もしPCやiPhoneを持っているなら、個人的にはUSB DAC機能のあるヘッドフォンアンプがハイレゾをとりあえず体験するにはもってこいのアイテムだと思う。中でも、イギリスの音響機器メーカーであるiFIの「nano iDSD」は、2万円台と比較的手頃な価格ながら、今、最もハイレゾを広く楽しめるUSB DAC兼ヘッドフォンアンプかもしれない。年末に発売され、入荷後にすぐ売り切れるような人気ぶりだったものの、1月末になんとか入手できた。
「nano iDSD」は、ポータブルヘッドフォンアンプと呼ばれるもの。持ち運びしやすいサイズに10時間稼働するバッテリーを内蔵していて、携帯型のデジタルオーディオプレーヤー(DAP)などと組み合わせて使うのに向いた製品だ。USB DACとして機能するタイプなので、DAPのUSBポートと接続することで音をデジタル転送し、「nano iDSD」のヘッドフォン出力やライン出力などから音を出すことができる。もちろんPCとUSB接続してハイレゾ音源を再生することも可能だ。
一番の特徴は、現在出回っているハイレゾ音源のフォーマットのほぼすべてに対応していること。WAV/FLACなどのPCM形式でハイレゾ音源として配信されているものは、今のところ24bit/48kHzや24bit/96kHzが多く、中には24bit/192kHzのフォーマットもある。「nano iDSD」は、それらに対応しているのはもちろん、さらにその上の32bit/384kHzまでカバーしている。
また、ちょっとずつ注目を浴びつつある(というか、再び光が当たったというべきかもしれない)DSDにも対応。PCMとは異なる方式で“アナログ的”な音を再現すると言われているフォーマットだ。このDSDについては2.8MHzのほか、5.6MHzや6.2MHzのサンプリングレートに対応。他にもDXDというハイサンプリングレートのPCM形式にも対応しているので、音源を入手できるどうかはともかく、今のところ再生できないハイレゾ音源はほぼない、と言えるだろう。
とにかく幅広いフォーマットに対応し、現在ある音源や将来出てくる音源もまんべんなく聴けるわけで、今後仕事でハイレゾ音源を試す必要が出てきても安心度が高いと思ったのが「nano iDSD」を選んだ理由だったりする。で、肝心の音質については、どうやら自分の耳がエージングされまくっているみたいなので、もうちょっと聴き込んでみたいな、という感じ。
今のところは、iPhoneとアプリ「ONKYO HF Player」(ハイレゾ再生は1000円のアプリ内課金が必要)を組み合わせて使用中。常用しているノートブックとも一緒に使いたかったのだが、自分のMacBook Air(2013年モデル)がUSB 3.0ポートしか備えていないのがどうもネックになっている。PCの機種(USB 3.0のチップ)とUSB DACの組み合わせによっては問題が出る場合がある、というのに引っかかってしまったのだ。
MacBook Air(2013年モデル)と「nano iDSD」もその例に漏れず、接続しても正常に音声出力されない。USB 2.0のハブを挟めば大丈夫な場合もあるようなので、試してみるもやはり不可。サポートに問い合わせたところ「春頃にファームウェアアップデートで対応する予定」とのことだったので楽しみに待ちたい。が、動作確認に時間がかかることもあるにしろ、暫定的にでもせめてWebサイトなどであらかじめ情報提供してほしかったなあ、というのが正直な気持ちではある。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
---|---|---|
ifI nano iDSD | オリオスペック | 2万6250円 |