本日の一品

“スマホでスクラップ”のAndroid版が発売された

マーカーで囲んだ部分だけがスクラップされる「スマホでスクラップ」。iOS版に続いてAndroid版が登場した

 筆記具をはじめとしたステーショナリーの老舗、ぺんてる株式会社がAndroid 4.0以降に対応した「スマホでスクラップ」を発売した。現代では“スクラップ”や“スクラップブック”という言葉にはどことなくクラシカルな懐かしい響きがあるが、誰もが一度は経験したことのある“資料整理の定石的基本手段”だ。

 パーソナルコンピュータやネットの進化で昔ほど脚光を浴びることは少なくなってはきたが、スクラップブックの制作は個人レベルでの興味あるジャンルの情報収集、蓄積、運用、発信には、いまも変わらず有効な整理法なのだ。

 “スマホでスクラップ”は、少し前まで、いや今でも、多くの人が行っている“ハサミで興味深い新聞や雑誌の記事を切り抜き、糊でノートに貼り付けて整理する”というスクラップブック作りの作業を、カメラ付きのスマホとその関連アプリ、そしていろいろなクラウドサービスと連携して便利に実現するICT時代のスクラップブックサービスだ。

 パッケージには、新聞や雑誌のスクラップしたい箇所を囲むための青色のマーカーと、1年間アプリを使えるライセンスカードが入っている。まずはスマホでGoogle Playにアクセスし「AnkiSnap」という専用アプリをダウンロード、導入、起動して、ライセンスカードの裏側に書かれているシリアル番号を入力すると1年間はアプリを使うことが可能となる。

ブルーのごく普通のマーカーでスクラップしたい記事の周囲を囲むだけ
専用アプリを1年間使えるライセンスカードが付いてくる

 AnkiSnapを起動し、画面右上の[SCRAP]にタッチすると、スマホのカメラ機能が起動する。あとは事前に青色マーカーで囲んだスクラップ対象のブロック部分を撮影するだけだ。背景がカラフルであるとか、混みいった箇所でなければ、AnkiSnapはスクラップ対象の部分を黒枠線で囲んで表示するので、選択ブロックが間違いなければ、後はチェックマークを押すだけだ。

 最終的に、余分な周囲の記事などは除去され、スクラップ対象ブロックだけが表示されるので保存すれば完成だ。スクラップした箇所は自動的にスクラップホルダーに保存される。既にスクラップしてホルダーに保存している任意のスクラップをメール添付したり、他人のスマホに転送したり、いろいろなクラウドサービスに転送することも可能だ。

 筆者は、今回スクラップした部分をクラウドサービスであるEVERNOTEに送ってみた。情報の収集は見つけたその現場で即スクラップあるいはクリップ。保存先は常にクラウドにしておけば、価値ある情報をいつでも、どこでも、誰でも便利に利用することができる。しかし、蓄積情報の運用や管理、情報の再発信には、大画面で一覧できるパソコンにまだ少し分がありそうだ。

 “スマホでスクラップ”は、きわめてシンプルな発想の商品だ。あくまで興味ある断片情報の刈り取り機だと考えれば上手く使いこなせるだろう。スクラップ対象の背景がカラフルなカラー印刷だったり、青色マーカーと紛らわしいカラーが紙面上にある場合は、時にエラーや選択箇所の見誤りを起こすこともあり、手作業によるスクラップ箇所の再指定などが起こる場合もある。

 保存しておきたい書籍などの一部分をスクラップの対象と考えると、目的の箇所を派手なカラーのマーカーで囲んで汚すこと自体が抵抗あるユーザーも多いだろう。あくまで、スクラップ処理を終えたなら、廃棄するつもりの新聞や雑誌などの断片情報刈り取り機と考えて付き合えば、ストレスも少なく、素晴らしいスマホのコンパニオンとなるだろう。

まずはライセンスカードの裏にあるシリアルコードを入力して登録する
Google Playにる「AnkiSnap」の起動画面(スマホでスクラップは右半分)
まずは”SCRAP”を選択して目標対象物を撮影することから始める
アプリはマーカー位置を認識して黒枠で囲んで表示してくれる
周囲の記事は自動的にカットしてスクラップの出来上がり
カットした目的のブロックだけをスクラップブックに登録
スクラップブックから任意のスクラップを選択してクラウドにアップロードできる
筆者はEVERNOTEにアップロードしてみた
パソコンで筆者のEVERNOTEにアクセスしてみたらもちろん正しくアップロードされていた
製品名発売元価格
スマホでスクラップぺんてる株式会社525円

ゼロ・ハリ