本日の一品

ハリスツイードじゃないヘリンボーンツイードな財布

JETSAM財布は古着や余剰品などのジャケットに使われていたツイードを再利用した財布だ

 大昔、筆者のお爺ちゃんの自慢のジャケットは英国製の高級ツイードだった。大英帝国のスコットランド地方で生産される毛織物であるツイードは、昨年の冬ころから日本国内でも何度目かのブームだ。

 この古くて新しいツイードの中でも、日本のJAの感じに近いかもしれない英国の毛織物協会のお墨付きのある“ハリスツイード”は日本国内でも有名だ。ツイードといえばハリスツイード、というのがファッション系の雑誌でも定番のようだ。

 市場での認知度がアップし、誰もが買いたい明確な定番商品が登場するようになってくると、へそ曲がりの筆者は、なんとか定番商品ではないものを探そうと躍起になる悪い癖がある。

 今回ご紹介するのは、米国に本拠を置く“JETSAM”(ジェットサム)という企業の販売する”Natty Professor Edition”と言われる二つ折りの財布だ。何か面白いステーショナリーはないかと探しに出かけた伊東屋本店(工事中)の裏手にある”K.ITOYA”で偶然見つけた。

最近、流行のツイードは英国の有名なハリス・ツイードだ。品質の証に協会が認定するブランドマークのタグがつけられている
筆者の愛用しているオーソドキシー謹製の財布(右)とくらべてたった12gほど軽いだけだが、素材のせいか感覚的にはもっと軽く感じてしまう

 英国生まれのツイードという毛織物はそもそもそれほど派手な柄は少ないが、JETSAMの財布は、昨今あちこちで見かける機会の多いハリスツイードと比較しても恐ろしく地味なグレーカラーのヘリンボーンだ。

 商品名の“Natty Professor Edition”は、ご想像通り、映画“Nutty Professor”(底抜け大学教授)とは対局に居るような”キチンとした身なり”のという感じだろうか。とても筆者に似合うとは思えないが、めったに見ることのない財布だったので速攻で購入した。

 現在、筆者が長く愛用している財布もほぼ同じサイズだ。総革製にも関わらず本体の重量はたったの53g。一方、JETSAMの財布は41g。その差わずか12gだが、感覚的にはもっと軽く感じてしまう。これは手にソフトなツイード地のせいかもしれない。

 JETSAMのヘリンボーン財布は、紙幣を収納する場所は1カ所。小さなドル紙幣だけではなく、日本の紙幣も問題なく収納できるサイズだ。ただし残念ながら、クレジットカードはたったの2枚(左右に各1枚)しか収納できない。

 クレジットカードを重ねたら何枚まで収納できるか試したところ、左右各3枚、計6枚まではなんとか収納できたが、見た目やカードの出しやすさは多少損なうかもしれない。20枚ほどのクレジットカードやポイントカードを楽々と収納できる超大容量財布を愛用する人には向かなそうだ。

 JETSAMのヘリンボーン財布は、厳選されたたった2枚のクレジットカードだけでも優雅なカードライフが成り立つ“Natty Gentleman"の財布なのかもしれない。早くこういう財布が似合うような紳士になりたいものだ。

紙幣のキャパシティはよしとしても、カードポケットが2箇所は寂しい。重ねて入れれば全部で6枚は入るが、JETSAM財布には似合わない
NattyなJETSAM財布は周辺も選んでしまう。こういう組み合わせはBADなのかも
英国紳士の来ているジャケットのヘリンボーンだ
きっとこういう組み合わせなら合格点という感じなのかもしれない。
製品名販売場所価格
JETSAM ツイード地財布 “Natty Professor Edition"銀座伊東屋4725円