本日の一品

アキバで見つけた理想的なUSBモバイル充電池

 スマートフォンが高機能化すれば、それに伴いバッテリー容量の強化が大命題となってくる。発電所で作られた電気エネルギーは、我々の自宅に電線を伝って配送され、それを我々は家庭のコンセントからスマホなどに給電して、スマホはそれを内蔵の充電池に充電する。

 充電された電気エネルギーは、スマホのCPUや液晶画面、無線機器などが時々刻々と消費し、残り少なくなると省電力モードに入り、いずれ放電して、全てのスマホの機能が停止してしまう。完全に機能が停止する前に、あらかじめ何らかの方法で充電しておいた外部充電池によって、家庭のコンセントで行う給電と同じことをスマホのUSBポートから行う商品が“USBモバイル充電池”だ。

PowerSkinはケーブルレスでスマホに直挿しするUSBモバイルバッテリーだ
microUSBのコネクター位置は可変ではないので、スマホとのマッチングが重要だ

 ほぼ常識と化した“スマホの万年電池欠乏症”のために、すでに多くのメーカーからUSBモバイル充電池が発売されている。スマホ内部の充電池がほぼ満杯になるまで何回も給電できる大容量重量級タイプから、ほんの一時しのぎで、あと5分だけスマホが無事に稼働してくれれば良いタイプまで、そのバリエーションの多さはもはやスマホの数を凌ぐくらいだ。

 今回、筆者が秋葉原で見つけたUSBモバイル充電池「PowerSkin」は後者の“一時しのぎ型”。なかなか興味深いのはその形状デザインだ。本体は黒いプラスチック製だが、カラフルなシリコンゴム製の着せ替えジャケットが3種類(ピンク、ブルー、ブラック)付属する。

 シリコンゴム製のジャケットは、単なる見せかけのためだけではなく、PowerSkinは、他のUSBモバイル充電池の様にケーブルを介してスマートフォンに充電するスタイルではなく、バッテリー本体から突起したmicroUSB端子を、直接スマートフォンのmicroUSBポートに挿入して、充電中も、スマホとPowerSkinを一緒に持って通話や画面操作を行う超コンパクトな優れモノだ。

 スマホ側のmicroUSBポートの上下の向きによって、PowerSkinは2種類提供されている。筆者のGalaxy S4に合うPowerSkinは、microUSB端子の向きが“上向き”のタイプだった。microUSBの向きが上手くあっても、スマホ側の本体の分厚さがPowerSkinの想定を超える場合は、上手く接続できないケースもあるので注意が必要だ。

microUSBコネクターの向きによってTYPE1(上向き)とTYPE2(下向き)がある
PowerSkinは外部AC電源やパソコンからmicroUSB経由で給電を受ける
スマホと直付けするので、スマホを傷つけたりしないためとスリップ防止を兼ねて、着せ替えシリコンジャケットが3色付属する
筆者のGalaxy S4はサードパーティのプロテクトケースを付けたままの状態でもPowerSkinのTYPE1(上向き)モデルでピッタリだった

 PowerSkin自身は側面に用意されたmicroUSBポートから外部給電を受けて充電する仕組みだ。コンパクトなサイズ、スマホと一体化するアイディア、スマホと一緒に手に持った時にスリップ防止に役立つシリコンゴム製の着せ替えジャケット。全てがUSBモバイル充電池の合格ラインを大きく超えている商品だが、唯一の弱点は、750mAhという今ではかなり小さな充電池の容量だ。

 スマホへの給電時のエネルギーロスが皆無でも、最新のスマホのバッテリーの半分にも満たない。PowerSkinは、冒頭に書いた通り、“便利な一時しのぎ”USBモバイル充電池として割り切って使えば最高のスマホ・コンパニオン・バッテリーだろう。筆者は秋葉原の裏通りで350円という激安価格で購入したが、この値段なら、緊急時のたった一回きりの給電でも元は取れそうだ。アイディアと使い勝手は秀作なので、1500mAhクラスの次期製品の登場を期待して待ちたい一品だ。

製品名販売場所価格
スマートフォン 直挿しバッテリー
「PowerSkin」(TYPE 1:上向き)
秋葉原のジャンク屋通り350円

ゼロ・ハリ