大人の工作にもオススメ！ 「ふわっと軽いねんど」

「ふわっと軽いねんど」。一箱に260立法cm入り

　とある仮装パーティに招待され、コスプレをすることになった。三十半ばにして初コスプレである。

　現役コスプレイヤーの友人から指導を受け、コスプレ衣装を自作していたのだが、「造形を主体とするコスプレイヤー」を自称する彼女曰く「コスプレ装飾を作るには、100円ショップで売ってる軽い紙粘土を使うと良いよ！」とのこと。さっそく自作帽子の装飾品のために、ダイソーにて「ふわっと軽いねんど」を購入してみた。

　今回紹介するこの「ふわっと軽いねんど」は、粘土に「中空微粉体」なるものを混ぜ、従来品より大幅に軽量化された紙粘土だ。手に持ってみると、その軽さに驚く。「ふわっと軽いねんど」は各種カラーも揃っており、混ぜ合わせることで色調合もできるなど、デコスイーツ工作などにも重宝されているという製品だ。今回は「三日月型の帽子かざり」を作成するためイエローを購入。この軽さなら紙製の自作帽子に取り付けても、帽子は重さに耐えられるだろう。

　従来の紙粘土に比べ、練り合わせても手にくっつかず、良く延び、まとまりやすい。造形素材として、とても扱いやすい製品だ。厚紙を貼り合わせた「芯」に、良く練った「ふわっと軽いねんど」を盛っていったが、扱いが簡単なので一時間ほどで原型を作成できた。

　二日ほど乾燥させると、固めのスポンジのような感触に固まる。硬度も必要十分、多少の衝撃にも耐えてくれそうだ。外形を整えるため紙やすりの60番や120番で加工したが、研磨も容易で、さくさくと作業を進めることができた。ただし、「中空微粉体」入りの所為か、とても細かい粉塵が出るので、研磨作業の前にマスクと掃除用具は必ず準備して取りかかろう。筆者はちょっと粉塵を吸い込んで喉を痛めてしまった。しかしそれ以外はトラブルもなく、満足のいく作品を完成させることができた。

　乾燥時間を除いた、造形・研磨作業だけなら半日程度で済むなど、「ふわっと軽いねんど」の扱いやすさは抜群だ。お子様の粘土遊びにはもちろん、大人の工作にもオススメできる。また乾燥後の、今まで経験したことの無い「新素材感」も面白い。「ただの子供用工作材料」とは思わずに一度お手に取ってみて頂きたい。

　ただ最後に一つ、気になることがあるとするならば、デコスイーツ工作に使われるだけあって、できあがった作品がとてもおいしそうに見えてしまうことかもしれない……。

質量は約60g、密度を計算すると約0.23g/立法cmで、水に浮く	普通の粘土のように扱える。まとまりやすいので、粘土板代わりにしたカッターマットが汚れることもほとんど無かった
紙製の「芯」に盛りつけ簡単に造形。二日間乾燥させたもの。造形直後から乾燥した「カス」がポロポロと落ちたが許容範囲。ちょっとおいしそうに見える	試しに、余った「ふわっと軽いねんど」を乾燥させ割ってみる。密度の高いスポンジや発泡プラスチックのような断面があらわれた
紙ヤスリで整形・研磨し完成。想像よりもキレイにできた。もっと表面を滑らかにしたいなら、パテ埋めや下地塗り、塗装などの加工をすれば良いだろう。お菓子みたいでおいしそう	別途作成していた紙・布製の帽子に装着。製作した装飾に埋め込んである金具へ紐を通し、帽子に固定している。帽子を振り回しても装飾にズレやグラつきはほとんどなかった。びっくりするほど軽いためだ