場所を選ばず香り高いエスプレッソを楽しめる「Handpresso」
お湯さえあれば、いつでもどこでも美味しいエスプレッソを味わうことができる「Handpresso」。作りもしっかりとしていて高級感がある。先端部にあるアナログの圧力ゲージが良い雰囲気を出している。 ※現在、国内で販売されている新型は、お湯タンクが黒色&パウダー用のホルダーが使えるなど、仕様が少々異なっているようだ |
「~Pod」というとまず、AppleのiPodが思い浮かぶが、今回は「CafePod」(カフェポッド)という音楽ともコンピュータとも全く縁のないアイテムを紹介させて頂こうと思う。
CafePodというのはイタリアのilly社が開発したE.S.E(Easy Serving Espresso)という規格に準拠した、エスプレッソ用のコーヒー豆を適度な圧力で整形し紙フィルターでパックした鞘(Pod)のことだ。
エスプレッソ用のコーヒー豆は、通常のドリップタイプのコーヒー豆と違い、深煎りで挽きもずいぶん細かい。エスプレッソを煎れるためには、エスプレッソ用に挽いた豆を抽出用のホルダーに適度な圧力を掛けて充填するタンピングという作業を行い、抽出後もホルダーを清掃するという作業が必要だ。美味しく煎れるためには、タンピングにもある程度の経験と技術が必要となる。
CafePodであれば、このタンピングという作業が不要で、抽出後もフィルターパックをポン! と捨てるだけで済み、誰もが簡単に手間無く美味しいエスプレッソを味わえるという優れモノなのだ。
しかし、このナイスなCafePodを使ってエスプレッソコーヒーを煎れるには、CafePod対応のエスプレッソマシンが必要で、エスプレッソマシンは抽出時に高圧のお湯を作り出す必要があるため、それなりの大きさで、かつ動作用の電源を必要とするために、通常は据え置き型の機械となっている。
今回紹介する「Handpresso(ハンドプレッソ)」は、CafePodとお湯さえあれば、何時でも何処でも美味しいエスプレッソを手軽に楽しめるようデザインされた、電源を必要としないハンディータイプのエスプレッソマシンだ。
仕組みは単純で、エスプレッソの抽出に必要な圧力は自転車用の空気入れと同じ機構のエアーポンプを使い、人力で確保する。具体的には、「HandPresso」本体にある棒状のポンプをピストン運動させることで、16気圧の圧縮空気を本体内に蓄え、この圧縮空気を使い一気にお湯をCafePodに通しエスプレッソを抽出するという仕組みで、実際の抽出は9気圧程度で行われているとのことだ。抽出に必要な時間は20~30秒程度で、CafePod内のコーヒー豆の状態によって多少変動する。CafePodはブランドや銘柄により豆の挽き具合、充填の加減がさまざまなので、抽出に必要な時間は一定ではない。これは据え置き型のエスプレッソマシンでも同じである。
さて、肝心の「Handpresso」で煎れたエスプレッソの出来映えだが、香り、風味、舌触りともに、十分エスプレッソと言える出来だと筆者は感じる。強いて言えば、クレマ(エスプレッソ抽出時に出来るクリーム状の細かい泡)は据え置き型のマシンのように層になるほどはできないものの、カップ一面にクレマが広がるくらいは生成される。
エスプレッソは好きだが、毎日何杯も飲むわけではない、などの理由で据え置き型マシンの入手を躊躇している人でも、この「HandPresso」であれば、必要な時だけ取り出して使え、小型で収納場所に困ることもなくお薦めできる。
さらにもう一つ、「Handpresso」の良いところは、据え置き型のような電動ポンプの大きな動作音がないので、深夜にこっそりと眠気覚ましの一杯を楽しむ際も、家族に迷惑を掛けることなく堪能できるのである。
筆者は家でも職場でも、一息つきたいときに手軽に香り高いエスプレッソを味わうことができて、本当に満足している。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
Handpresso | Handpresso | 1万1000円 |
2011/12/20 06:00