腕時計の電池を自分で交換。ダイソーで買えるDIY工具セット


ダイソー大型店で購入。小規模な店舗では取り扱っていない場合があるようだ

 筆者が自分で腕時計の電池を交換するようになったのは費用の節約ばかりでなく、裏蓋を開けて内部を見てみたいという興味からだった。比較的安価なスポーツウォッチをいくつも所有しているので、試してみたところうまくいったのである。

 ただ、中には手を出せないものがあった。スクリューバックと呼ばれるねじ込み式の裏蓋は手持ちのドライバーなどで対処できなかったのだ。ところが先日、専門店か通販でしか手に入らないと思っていた特殊な工具を、意外な店で購入することができた。ダイソーの腕時計電池交換工具セットである。

 このセットには裏蓋を開ける工具2種とルーペの計3点が含まれている。このうち、ねじ込み式用は全長13cmほどの棒状、一方の端と中ほどの2カ所に頑丈なツメが取り付けられたハンドル形の工具だ。裏蓋を開くときは中ほどのツメをスライドさせ、腕時計の幅に合わせて調整、外れないよう気を付けながら反時計方向に回していく。

 ツメが2つしかないので少々安定性に欠けるのが残念だが、価格から考えられる以上の実用性だ。しかし、防水性が高い腕時計では、けっこうな力を必要とする場合がある。工具のツメは刃物のような角の鋭い金属製なので、凹みから外れると怪我をするおそれがあるのだ。作業中は手袋をするか、あるいは固定台を使うといった対策を講じておくべきだろう。

 今回出番のなかった医療用メスのようなはめ込み式用工具。これは裏蓋の一部に設けられた隙間に挿し込み、こじ開けるためのものである。マイナスドライバーなどでも代用できそうだが、専用品は傷を付けにくい丸みを帯びた形状だ。もうひとつは、目のまわりのくぼみに挟み込んで固定する筒状のルーペ。これをつければ職人気分を味わえたところではあるが、筆者のフラットな顔には装着できず、飾り物になってしまった。

 この工具セットに加え、精密ドライバーセットとピンセットがあれば、さまざまな腕時計に対応できそうである。電池が切れたまま放置されているものがあれば、挑戦してみるとよいかもしれない。作業工程が紹介されているホームページも数多くあるので、これらを参考にすればハードルは決して高くない。

 とはいえ、腕時計は小さく精密な機器だ。むやみに裏蓋を開ければ故障の原因になりかねない。防水性能も低下し、メーカー保証の対象外となる。こういったデメリットは覚悟し自己責任で行う必要があるだろう。ちなみに筆者が自分で電池交換しているのは、普段使わないコレクション品が中心。現役で使用中の腕時計については、メーカーやショップに依頼している。

手前はドライバーで開けられる、ネジ止めパネル式の裏蓋。奥の2つがねじ込み式だ裏蓋の凹みに引っかけるツメが2つ。角が鋭いので怪我をしないよう注意が必要だ
凹みに合わせて間隔を調整。ネジを締め付けて外れないようしっかりと固定する裏蓋を開けた後の作業は腕時計の種類によって異なる。事前に調べておくとよい
今回は出番がなかったはめ込み式用工具。筒状のルーペはキズミと呼ばれるらしい

 

製品名販売元購入価格
腕時計電池交換工具セットダイソー420円

 

(サイトウシゲキ)

2011/10/26 06:00