iPadにタッチペン「Princeton PIP-TP2」
ポップなパッケージだが製品自体はしっかりした作りで、ペン軸も金属製だ。名称はスタイラスではなくタッチペンとなっている |
iPad 2を入手して以来、仕事にプライベートにとiPad 2を使い倒し中の筆者だが、ふとある事に気付いた。それはタッチパネルの操作を何の抵抗もなく指で行なっているという事実だ。
指で操作するのが当たり前になっているiPad、しかしほんの少し前までは、タッチパネルを搭載したモバイル端末の操作はスタイラスペンで行うのが主流だった。今でも薄膜抵抗式(感圧式)タッチパネルを搭載した端未は指での操作が難しく付属のスタイラスペンで操作するのが一般的だ。
iPhoneの登場以来、タッチパネルと言えば静電容量式が主流となりスタイラスペンは時代遅れのガジェツトになってしまった感がある。しかし本当にiPadにスタイラスは無用のものなのだろうか? iPadを指ではなくあえてスタイラスペンを使って操作する用途は2つ考えられる。ひとつは絵を描く場合、もうひとつは手書き文字入力だ。iPadは、通常は指先での操作でなんら不自由を感じる事は無いのだが、上記の2種類の操作は、指ではなかなか思い通りに行かなかったりする。
そこでスタイラスペンの登場となるのだが静電容量式タッチパネルは薄膜抵抗式タッチパネルとは動作原理が異なるため、ただ先端が細いだけではない、専用のスタイラスペンが必要となる。今回は、静電容量式タッチパネル用スタイラスペン(以後タッチペンと表記)の中でも、比較的安価に入手できた「Princeton PIP-TP2」を紹介する。
タッチペンの一番のポイントとなるペン先部だが、静電容量式タッチパネルでは接触面が導電性でかつ、ある程度の接触面積が必要となるため、同種の初期の製品では導電性のブラシや接触面が平な硬質ゴムが使われており、反応や書き味の上でいまひとつと言う感じだったが、「PIP-TP2」は柔らかいドーム型のシリコンゴムを採用しており、反応、書き味は格段に良くなっている印象。ペン先の滑りも上々で、引っかかるような感触はない。また、尖ってはいないものの先端が平ではないので狙いも付けやすくなっている。
Web画面の閲覧で小さなリンクやボタンを押す時などは指よりも楽に正確な操作が可能だと感じる。もちろんマルチタッチ操作を行う場合は指を併用する必要があるが、指だけで操作するより快適だ。
手書き文字入力では圧倒的な使いやすさを発揮する。指の腹で細かな字を書くのは不馴れな者にとってかなり骨の折れる作業で、筆者は今までiPadでの手書き文字入力は使用していなかった。しかし、「PIP-TP2」を使用することで、手書き文字入力も十分に実用的な入力手段となった。やはりペンは書き易い。
筆者は手書き文字入力には「7Notes」というアプリを利用しているが、このアプリの手書き文字認識精度とスピードは素晴らしく、感動的だ。この原稿も「PIP-TP2」と7Notesの組み合わせで執筆しているが、十分に実用的な入力手段だと感じている。
それでは絵に関してはどうか? 指で描くよりも素晴らしい作品が描けるのだろうか? この点に関しては、残念なことに検証に必要な“絵心”が筆者に備わっておらず、どうにも検証する事ができなかった。しかし、狙った場所に線を引くのは容易になったと思う。
iPadでのタッチペン入力、興味を持たれた方は一度試してみることをお勧めする。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
PIP-TP2 | プリンストン | 1170円 |
2011/6/14 06:00