春のパン祭りの白いお皿、実は結構すごい皿。


今年の白い皿キャンペーン応募用紙と、景品の白いお皿。今年は直径23センチと少し大きめの丸皿。使いやすそう

 突然ですが、みなさん、日本の三大祭りってなんだか知っていますか。正解は、

・ヤマザキ春のパン祭り
・東映まんがまつり
・花王ヘアケア祭り

 ……嘘ですけど。そういうジョークが今年春頃、Twitter上で流行っていました。

 調べてみたところ、実は「パン祭り」が春の代表的なイベントというギャグはインターネットの普及より前、パソコン通信の時代からあり、以前から人気イベントであったことが伺えます。ちなみに、パン祭りが春の重要イベントであるというジョークは、「コミックマーケット」とからめて「聖まりあんぬ」BBSで言われ始めたところまでは確認できたのですが、初出はわかりませんでした……。ちなみに「萌え」や「お前は俺か」など今でもインターネットで使われている用語も、当時聖まりあんぬBBSで使われていたことが確認できています。脇道な上に無駄知識ですが(笑)。

 今回の紹介する一品は、パン祭りの、景品「白いお皿」今年2011年版です。例年2月から4月が祭りの期間なのですが、今年は震災の影響もあって「祭り」ではなく「2011年 白いお皿プレゼントキャンペーン」となり、6月7日までがシール添付日となったのですが、通称は「春のパン祭りの白いお皿」です。

 前述の通り、人気のイベントなのでご存知の方、今年も既に景品を手に入れた手に入れた方も多いでしょうが、一応説明などしますと、この春のパン祭りは、1981年から山崎製パンという会社が始めたもので、春のある期間中にヤマザキのパンを買うとついてくるシールを、ある点数まで集めてお店に持っていくと毎年違うデザインになっているお皿がもらえるというものです。

 今年の場合は24点分のシールでお皿1枚と交換になっていました。私は山崎パンのアップルパイが好きでして……ええ、また今年も毎日のように食べましたとも、アップルパイ。なお、アップルパイは1個495kcalのカロリーがあります。24点分の24個で1万1880kcalを摂取したことになりますね……。

 それはともかく、景品のお皿の方に言及しますと、この白いお皿、毎年オーバル型ディッシュ、スクエアプレート、小鉢など、景品の形状は違うものの、アルク・インターナショナル社製の白い強化ガラス製の食器が採用され、その簡素ながら清潔感のある白いデザイン、そして非常に傷のつきにくい丈夫さで使いやすい食器です。

 今年の景品のお皿も例にもれず、おしゃれで扱いやすいアルク製の、白い強化ガラス製です。丸く、少しだけふちが上にカーブしています。シンプルですが、大きさ的には直径23センチで、以前あった2006年版のスクエアプレートより大き目のデザインです。今流行のカフェご飯(ワンディッシュで、丸く盛ったごはんにメインのおかず、脇にサブのおかず、サラダを添える)を作るのにぴったりのサイズです。さすが山崎製パン、食品業界大手の会社だけあって主婦の流行には敏感ですねぇ。ホント、感心します。

 そうそう、この白いお皿、デザインがよいこともさることながら、非常に丈夫で扱いやすいことでも知られています。電子レンジにはそのまま入れて使えるし、ちょっと落としたくらいじゃ割れない。もちろんスポンジで洗って全然傷もつかない、色もくすまない。すごく丈夫なのです。

 この強さの秘密ですが、実はこのお皿、陶器ではなく、前述のように強化ガラスでできているのです。

 このお皿の製造元であるアルク・インターナショナルの食器には、全面物理強化ガラスが使われているものが多く、この白いお皿もどうやらこの強化ガラス製のようですね。ガラス製品は高温で素材を熱し形を作って冷やすことで作られるのですが、この強化ガラスは、製造工程で風冷強化といって700℃から一気に20℃にまで冷却する事により、表面に固い保護膜を作ることで非常に物理的な衝撃にも強く、また常温からプラス約120度の温度上昇にも耐えられる強い食器を作ることが可能なのです。

 少なくとも我が家では2000年以降、毎年白いお皿を集めて、普段使いしていますが、いままで欠けたり割れたりしたものはゼロ、その強さがわかるでしょう。この丈夫さも根強い人気の秘密であると、私は思います(欠けたり割れないことを保証するものではありませんが)。

 ちなみに、話は脇にそれますが、強化ガラスにはさまざまな製造方法があります。 先ほどの冷却による強化ガラスはある程度の厚みがある製品の製造に限られ、そのためかパン祭りの白い皿もほとんど毎年素材の厚みが同じです(それがまた安心感があっていいのですが)。

 たとえば、同じように強化ガラスでも、スマートフォンやタブレット型端末のディスプレイ用として携帯電話メーカーに提供されている旭硝子製「Dragon trail」や米Corning製「ゴリラガラス」は化学強化ガラスと呼ばれるタイプのガラスです。化学強化ガラスは気相合成法や化学強化法などの製造法で作られており、ガラス中のナトリウムイオンを他のイオンに組み替えることで作られます。たとえば、化学強化法では、ガラスを硝酸カリウムという化学薬品に漬け込み、ガラスにカリウムイオンを取り込ませます。カリウムイオンはナトリウムイオンに比べてイオン半径が大きく、これによってガラス表面に圧縮応力がはたらき、擦りや引っかきに強く、なおかつ薄い強化ガラスを作ることができるのです。

 ……という話を実は筆者が週刊連載させていただいている「ケータイ用語の基礎知識」で書かせていただこうかと思ったものの、文章量の都合もあり、結果的にこちらに書かせていただきました。いわば「ケータイ以外の用語の無駄知識」ということで……。失礼いたしました。

我が家の歴代白い皿の一部。他にもオーバルやスクエアディッシュもあり。祭りですもん、毎年参加せずにはいられません!(笑)盛り付け下手でごめんなさい! ちょっとマグロ丼なんかもりつけてみました。むしろオムライスのような大き目のご飯のほうが盛り付けがいがあるかも

 

製品名製造元購入価格
山崎製パン 白いお皿アルク・インターナショナル毎年開催のキャンペーンで入手

 

(大和 哲)

2011/6/13 06:00