iPhone 4で広角撮影、プリンストン「PIP-CK4M」


鏡筒は金属製でレンズもガラス製のようだ。一段目を外すとマクロ(クローズアップ)レンズとしても使用できる

 iPhone を使い始めてそろそろ半年になる筆者だが、あらためて振り返ってみるとiPhone 4はカメラとしての使用頻度が非常に高い。写真、動画共にかなりの頻度で使用している。スナップから資料用写真、仕事の議事録(スキャナーアプリ使用)などなどiPhone 4のカメラを使用しない日は無いと言っても過言ではないくらいだ。

 とても便利に使っているiPhone 4のカメラだが、唯一不満に思うのは画角が変えられないということだ。特に広角側の撮影ができないのが非常に残念である。「景色をもっと広く撮りたい!!」ということで、今回はiPhone 4に装着して使うワイドコンバージョンレンズ、プリンストンの「PIP-CK4M」を紹介させて頂く。

 「PIP-CK4M」にはコンバージョンレンズ本体(二段構成)と専用のジャケットが付属し、コンバージョンレンズはジャケットに取り付ける仕組みになっている。手軽にしっかりと取り付けができる反面、ジャケット側にレンズを取り付けるためのネジが切ってあるため、レンズと専用ジャケットはセットで使用し、他のケースと併用する事はできない。普段、iPhone 4用ジャケットを使用している場合は、ワイドコンバージョンレンズを使用するたびにジャケットを交換しなければいけない。その付属のジャケットは、スタンド付きのシンプルなものなので、普段使いのジャケットとしても問題なく使用できる。

 さて、肝心の写りだが、画角を広くするという機能はしっかりと果たされている。ワイドコンバージョンレンズを装着すると、静止画・動画ともに一回り広い範囲が撮影できるようになり、風景や室内の撮影では、その場の雰囲気がより伝わる感じがする。この点だけで筆者の目的は十分に達成できている。

 少々残念な点としては、静止画で撮影範囲が一部ケラレることだ。味と言えなくもないが、普通の写真として使用するにはトリミングが必要となる。ケラレた部分をトリミングしても、標準の状態よりは広く写っている。

 このケラレに関しては、動画撮影では発生しない。元々iPhone 4の動画撮影は写真撮影時よりも画角が狭くなっているので、影響を受けないようだ。

 なお、静止画、動画ともにひずみと周辺部のボケはそれなりに発生する。PIP-CK4Fを使用する事で、広い画角と引き換えに、良くも悪くもトイカメラ的な雰囲気の映像になる事は否めない。

 レンズ部は二段構成になっており、一段目(外側)を取り外す事でマクロ(クローズアップ)レンズとしても機能する。かなり強力な近接設定となり、ピントが合う範囲はレンズ面から1~2cmと、超近接撮影が可能になる。

 しかし、モノは使い様というか何というか……PIP-CK4Mは、広がる画角とトイカメラ的な写りを活かし、独特の雰囲気がある絵作りを手軽に楽しむ事ができる。特に、動画の撮影ではケラレも発生しないので、広い画角を活かした、臨場感のある動画を撮影したい時にお勧めできる製品だ。

PIP-CK4M使用(左)と標準状態(右)。画角はかなり広くなっているが四隅のケラレが顕著に見られる。また、周辺部はかなりひずみ、ボケも発生している。広範囲が画面に収まっているのは確かだが、ちゃんと写っている範囲はかえって狭くなっているとも言える
PIP-CK4M使用(左)と標準状態(右)。こちらは、ケラレが目立ちにくい例。周辺部に暗い部分があるとケラレは余り目立たない。コンバージョンレンズ無しの写真で左上に出ている影は、ケラレではなく道路標識の一部
PIP-CK4M使用(左)と標準状態(右)。縦位置だとこのような感じになる。ひずみにより見上げている感じが強調され、面白く撮れる
マクロ(クローズアップ)撮影の例。撮影距離はレンズ面から1~2cmで小さなモノをかなりアップで撮影できる。普段の視点とは全く異なった世界を見る事ができ、なかなか面白い写真が撮れる

 

製品名製造元購入価格
PIP-CK4Mプリンストン2279円

 

 

(田中 宏和)

2011/5/18 06:00