iPhoneでもちょいとワンセグが観れちゃう「ちょいテレi」

iPhoneにワンセグ受信機能を追加するアダプター「ちょいテレi」

　「スマートフォンでは従来の携帯電話で一般的だったいくつかの機能が利用できない」という常識も過去の話となりつつある昨今だが、iPhoneには相変わらず日本製の携帯電話で一般的ないくつかの機能がない。

　ワンセグチューナーは、iPhoneに無い機能の中でも需要の高い機能の一つではないだろうか。プロ野球観戦に熱心な知人などは、シーズンになると野球中継を観るためにiPhoneとは別にワンセグ付き携帯を持ち歩いていたりするから驚く。かく言う筆者も、仕事の合間や外出先での時間調整の時などに、iPhoneでワンセグが見られると良いのに……と思っていた一人である。

　今回紹介するバッファローの「ちょいテレi」は、iPhoneで手軽にワンセグ放送を楽しむための外付けワンセグチューナーだ。本製品の利用には事前にApp Storeから専用アプリ「ちょいテレi」をiPhoneにインストールしておく必要があるが、利用する際はドックコネクタにちょいテレiを接続するだけでアプリが自動で起動し、ワンセグ放送を受信できるので、とても手軽だ。また、長時間の視聴にも対応できるよう、製品本体内に自前のバッテリーを内蔵しており、iPhoneのバッテリーを消費しない設計になっているのも心強い。

　専用の視聴アプリは完成度も高く安定して動作する。チャンネル切り替えのタイムラグも、瞬時とは言えないが、十分実用に耐えるスピードだ。元がワンセグの画像なので、画質に過度の期待は禁物だが、iPhoneの大画面で観るのにも耐えうるクオリティーだと思う。極端なジャギーや圧縮ノイズが出ないよう上手く調整されているようだ。受信中の番組情報や番組表の表示にも対応しており、画面上に見やすくレイアウトされている。

　手軽で便利な「ちょいテレi」だが、気を付けなければいけないのは、一見ストラップに見えるループコードが、実は受信用のアンテナで、ストラップとしての利用はできないという点。また、Dockコネクタとの接続部もロック機構の無いタイプで、引っぱると簡単に抜けてしまうため、ワンセグ視聴中もしっかりiPhone本体をホールドしておく必要がある。

　少々残念に感じたのは、ちょいテレi本体をiPhoneに接続した状態で、ちょいテレiのUSBコネクターに電源を接続しても、ちょいテレiは充電されるもののiPhoneは充電できないという点だ。つまり、ちょいテレi本体の電源が確保されていても、iPhoneの電池が無い状態では、ワンセグは視聴できないということだ。

　そんな「ちょいテレi」だが、インターネットとは全く別の情報源をiPhoneに手軽に追加できる、素晴らしいデバイスだ。とにかく、少し時間が空いたときにさっと取り出し、Dockコネクタに接続するだけでiPhoneの大きな画面でワンセグ放送を楽しめるのは、予想していた以上に手軽で楽しい。iPhoneはYouTubeなど動画共有サイトの動画を視聴できるが、オンエア中の番組をリアルタイムで視聴できるというのは、色々な意味でやはり良いものだと実感した。


使用時はiPhoneのDockコネクタに接続する。接続することで視聴アプリが自動的に起動する。「ちょいテレi」は自前のバッテリーを内蔵しており、iPhone本体からの電源供給は受けない（画像はぼかし加工を施したもの）	操作時、受信画面は左上に縮小表示されその下に受信中の番組情報が表示される。右側がチャンネル一覧でタップすることで受信チャンネルを変更できる。左下は字幕と音声チャンネルの状態でタップすることで変更できる（画像はぼかし加工を施したもの）

右側は番組表を表示させることもできる。右下にはワンセグ受信強度と「ちょいテレi」の内蔵バッテリー残量がアイコンで表示される（画像はぼかし加工を施したもの）	右上の縮小画面をタップすることで全画面表示に切り替わる。さらに拡大しサイドカット全画面表示をすることもできる（画像はぼかし加工を施したもの）

チャンネルの受信設定は現在位置のエリアと都道府県を選択することで自動的に設定されるので、長距離の移動での設定変更も2タッチだ