こたつに常備したい名著「あたらしいみかんのむきかた」


むきおくんが決意する表紙。妹のむきみちゃんも、しれっと(本文ママ)剥きあげる

 季節は冬。みかんがおいしい時候である。そのみかんの剥き方について、今まで頓着したことがおありだろうか? 少なくとも私は、これまで考えた事などなかった。そんなみかんの剥き方について、非常に斬新な提案をするのが、今回ご紹介する「あたらしいみかんのむきかた」である。

 なにやらかつての学習漫画のような装丁と絵柄である本書は、タイトル通り今まで考え付かなかったような剥き方を紹介する書籍だ。主人公である「むきおくん」をナビゲーターとした、かなりシュールなストーリー部分と、詳細な剥き方を解説する部分で構成されている。

 具体的には、上下左右に展開されたみかんのイラストに記されている設計図を、油性ボールペンなどで書き写し、その線に沿ってカッターナイフなどで切れ込みを入れて剥くという手順だ。細かい部分の切り込みには手芸用の小ハサミの使用も推奨されている。

 切れ目をいれた後は実際に剥くのだが、ここで既成概念を捨てる必要がある。というのも、本書における作品は、剥いた後に切れ込みを入れるのではなく、一筆書きの様に、剥くだけで完成する様に設計されている。ヘタの反対側、へそに親指を突っ込んで剥き始めるこれまでの剥き方は、本書においてはいわばタブーであり、切れ込みを入れた箇所から千切れない様に剥かなければならないのだ。この剥く作業の細かさにより難易度が設定されているようである。どのような完成品となるかは写真を見て頂きたいが、動物の作例が多く、ヘタが目になるよう作られている。

 さて、試しにケータイ Watch編集部の関口氏とそのご子息(小学二年生)にご協力を願い、「あたらしいむきかた」に挑戦してもらった。不器用を自認されている関口氏に限った話ではないが、まず、切り込み線を平面から立体に写しこむ作業で頭を捻る事になるようだ。そして繊細さが要求される剥き作業には親子ともに難儀していた。それでも、掲載した写真のようにそれなりの作品を完成させる事ができた。これからの季節、こたつの上に常備する新定番アイテムとして本書を検討してみてはいかがだろうか。

作例1:ひとで(左) うさぎ(右)作例2:くま
作例3:ねずみ(後右足とおなかのあたりが失敗してしまった)作業中の関口氏。ボールペンで書き込んだ線にそって切れ込みを入れる

 

製品名販売元購入価格
あたらしいみかんのむきかた小学館1050円

 

 

(ナカムラ)

2010/12/24 06:00