7年ぶりのプリンター買い替えで複合機を導入


製品本体。無線LANに対応しているため、ケーブルの敷設をすることなく離れた場所でプリントできる点もなかなかいい

 先日家庭用のプリンターを買い替えた。ディスプレイやプリンターといったパソコンの周辺機器は、一般的にパソコン本体に比べて買い替えまでのサイクルが長い傾向にあると言われるが、今回の筆者の例がまさにそれで、プリンターの買い替えは実に7年ぶりである。従来使っていたのはエプソンのPM-3300C UPGで、機能的にはとくに不満はなかったが、A3プリントの需要がなくなり設置スペースを見直す必要に迫られたため、流行りの複合機に買い換えることにした次第だ。

 新しく我が家にやってきたのは、ブラザー工業の「DCP-535CN」。FAX機能はないものの、プリンター機能とコピー機能、さらにスキャン機能を持った製品だ。無線LANにも対応し、同社の複合機のラインナップの中ではミドルレンジに位置する製品である。購入直後に新型が発表され値下がりするという悲しい事態にも見舞われたが、それでも購入時の価格は1万861円と、A4対応の単機能インクジェットプリンターが3万円前後だった10年ほど前と比較すると、衝撃的な価格ではある。

 複合機がメジャーになりはじめたのはここ3~4年ということで、前回プリンターを購入した際にはこの類の商品は候補にすら上がっていなかったわけだが、やはりオールインワンで設置面積が狭くて済むというのは、日本における家庭内の狭い空間を考えるとありがたい。メインとなるプリンター機能については、高速かつ静音性も高く、夜中でも気兼ねなく使える。専用紙ではなく普通紙への出力が初期設定となっている点も、日常利用ではありがたい。

 また、ブラザー製品のメリットとして、インクカートリッジが4色それぞれ独立していることが挙げられる。特定のインクがなくなっただけで交換を余儀なくされる一体型カートリッジは、実際のコストがどうあれ、利用する側としてあまり気分がよいものではない。こうした点においても、日々快適に使用できる製品だ。このほか、給紙・排紙とも本体正面から行える点も好印象だ。

 全体的によい買い物をしたと感じているが、難点を挙げるとすれば、給紙カセットの作りがややチープで抜き差し時に不安定さを感じることと、あとはコピーがかなり遅いことだろうか。読み取りと出力が同時進行で行われるため、出力を待っている間に次の原稿に交換するといったことができないのだ。搭載メモリ量などにも依存するのだろうが、コピー専用機と同じ使い方をしようとすると、ややストレスが溜まる。付加機能としてはまったく問題ないが、コピー機能を重視するユーザーは注意したほうがいいだろう。

見やすい液晶パネル上面にADFも装備する。サイズはA4まで対応
給紙・排紙ともに前面から行われるので、壁面に設置しやすいのもポイントインクカートリッジが4色それぞれ独立しているのは好印象

 

製品名製造元購入価格
マイミーオ DCP-535CNブラザー工業1万861円

 

(山口 真弘)

2009/12/4 06:00